特定技能2号は、特定技能1号よりも高い水準の技能や管理能力を備えた外国人が取得できる在留資格で、対象分野の拡大に伴い受験者が増加しています。
本記事では、特定技能2号を取得するための試験概要、実務経験の要件、分野別の出題内容、受験費用、申し込み方法、注意点までを網羅的に解説します。今後の雇用戦略や求人活動にも影響する重要なポイントを整理しています。
特定技能2号は熟練人材を対象とした在留資格
特定技能2号は、深刻な人手不足が続く特定分野において、高度な知識と経験を持つ外国人を中長期的に雇用できる在留資格です。
特定技能1号と異なり、在留期間の更新制限がなく、家族の帯同も可能となるため、企業にとっても安定した人材確保が期待されます。
特定技能2号の取得に必要な2つの基本要件
技能評価試験に合格する必要がある
特定技能2号を取得するには、まず分野別に実施される技能評価試験に合格しなければなりません。多くの分野で、日本語による学科と実技試験が課されており、内容も指導者的立場を意識したものになっています。
JLPT N3以上が求められる分野もある
特に外食業や漁業など一部の分野では、日本語能力試験(JLPT)N3以上の合格が別途必要です。試験の前提として、一定の日本語力が不可欠であることを示しています。
管理・指導経験が求められる実務要件
2年以上の実務または指導経験が基準
特定技能2号では、現場での単なる作業経験に加えて、他者を指導・監督する立場での実務経験が求められます。分野によって異なりますが、基本的に2年以上の管理経験、または3年以上の実務経験が必要です。
実務経験証明書の取得は企業の協力が不可欠
実務経験は証明書の提出が必須であり、特に過去の勤務先の協力が必要になる場合があります。企業は、現在雇用している外国人からの依頼があった場合、誠意ある対応が求められます。
日本語力が合否を大きく左右する試験の特徴
試験はすべて日本語で実施される
特定技能2号の試験は、日本語以外での受験ができません。問題文にもふりがなが付かないことがあり、日常会話だけでなく業務に関する読解力も求められます。
業務知識に加えてマネジメント能力も問われる
試験内容には、業務に関する知識だけでなく、リーダーとしての判断力や責任感を測る問題も含まれています。これは、2号人材が単なる作業者ではなく、管理補佐や後進指導も担うことを前提としているためです。
分野別に異なる試験内容と受験要件
外食業分野の試験概要と必要な実務経験
- 学科試験:衛生管理、飲食調理、接客、店舗運営
- 実技試験:業務を遂行するための技能水準を問う
- 実務経験:サブリーダーや副店長などとしての2年以上の指導経験
飲食料品製造業分野では品質管理知識も必要
- 学科試験:HACCP、品質・納期・コスト管理
- 実技試験:実務遂行能力を評価
- 実務経験:工程管理・作業指導を含む2年以上の経験
製造業分野は専門技術の理解が問われる
- 学科試験:金属加工、安全衛生、製図、電気基礎など
- 実技試験:工程や材料の理解に基づく選択問題
- 実務経験:3年以上の製造現場での経験
農業分野の試験は耕種と畜産で内容が異なる
- 学科試験:安全衛生を含む農業知識(耕種・畜産)
- 実技試験:実際の作業手順に関する内容を問う
- 実務経験:2年以上の管理経験、または3年以上の作業経験
試験費用は分野によって大きく異なる
最大で9万円を超える分野も存在
分野ごとの試験費用は次のように異なります。
| 分野 | 受験料(税込) |
|---|---|
| 外食業 | 14,000円 |
| 飲食料品製造業 | 15,000円 |
| 自動車整備 | 4,800円 |
| 造船・舶用工業 | 48,400円〜 |
※合格証明書の発行費用や申請手数料が別途必要な場合もあります。また、試験は原則キャンセル不可で、返金対応もありません。
特定技能2号評価試験の申し込み方法と流れ
申し込みは分野ごとの公式サイトから
試験申し込みは各分野の専用サイトを通じて行います。一部では事前登録やIDの取得が必要です。申し込みには余裕を持ったスケジュール管理が求められます。
企業と連携して書類を準備することが重要
- 実務経験証明書
- 誓約書(企業の署名が必要な場合あり)
- その他、身分確認書類や会員登録が必要な場合も
本人が申し込みできる分野もありますが、企業が手続きを行う必要があるケースもあります。事前に確認し、企業は協力体制を整えておくことが重要です。
実務経験証明でトラブルを防ぐための対応
過去の勤務先と連携するための工夫
実務経験証明は、転職経験のある外国人の場合、過去の勤務先にも協力を依頼する必要があります。関係が難しい場合は、現在の雇用主が間に入って調整するなどの対応が必要です。
経過措置が適用される場合がある
在留期限の短い1号取得者への対応
要件が整備されたばかりの分野では、1号で在留中の外国人について、満たすべき実務経験年数が緩和される経過措置があります。これは在留期限内に2号取得を可能にするための措置です。
特定技能2号試験合格には日本語力の強化が不可欠
N3〜N2相当の日本語能力が試される
試験内容の理解や業務知識の発揮には、N3〜N2程度の日本語力が目安となります。日本語力が高ければ、それだけで合格に近づける問題も多く、知識と語学力の両立が求められます。
今後の雇用戦略に向けた準備が重要
特定技能2号の取得は、本人の努力だけでなく、企業側のサポートと理解が不可欠です。必要な手続きを把握し、実務経験の積み上げや日本語教育支援などを通じて、長期的な人材確保を実現しましょう。
