特定技能2号「農業」取得の条件と試験対策を解説

農業分野が新たに特定技能2号の対象となり、外国人材が長期的に農業で働く道が開かれました。この記事では、農業分野で特定技能2号を取得するための要件、必要な経験、試験内容、そして雇用主側の準備事項まで、基本から丁寧に解説します。

特定技能2号「農業」の概要と魅力

特定技能2号とは

特定技能2号は、より高度な技能と実務経験を有する外国人に対する在留資格です。対象分野は11種に拡大され、2023年には農業分野もその一つに加わりました。対象業務は、「耕種農業」または「畜産農業」に分類され、それぞれに対応した技能測定試験の合格が求められます。

この資格は以下のような特徴を持っています。

  • 在留期間に更新制限がない
  • 配偶者や子どもの帯同が可能
  • 永住権申請要件を満たせる可能性がある

これらにより、農業に従事する外国人が日本で安定して長く働くことができる環境が整いつつあります。

特定技能2号「農業」の取得要件

求められる経験とスキル

農業分野で特定技能2号を取得するためには、以下のいずれかの経験が必要です。

  • 2年以上の作業工程管理または作業員指導の経験
  • 3年以上の現場実務経験

これらは国内外での経験を含めることができますが、いずれも日本語で記載された実務経験証明書の提出が求められます。

なお、技能実習で得た経験年数も3年以上であればカウント可能です。ただし、耕種農業と畜産農業は区分が異なるため、耕種での経験が畜産分野の試験資格にはなりません。

農業分野における技能測定試験の概要

試験区分と内容

試験は「耕種農業」と「畜産農業」に分かれ、それぞれに学科試験と実技試験があります。共通して「安全衛生管理」も試験範囲に含まれます。

耕種農業の主な試験内容

  • 作物の品種・栽培方法
  • 肥料・農薬の取り扱い
  • 作業工程管理と労務管理

畜産農業の主な試験内容

  • 家畜の飼養管理
  • 繁殖と健康管理
  • 作業環境と設備の扱い

試験方式と合格率

試験はCBT方式(コンピュータを使ったテスト)で実施され、結果は即時に画面表示されます。合格証明書は受験後5営業日以内にダウンロード可能です。

直近の試験データでは、合格率は耕種農業で約30%、畜産農業で約50%とされています。

試験準備と申込み手順

受験までの流れ

  1. 実務経験証明書と誓約書を提出(全国農業会議所)
  2. アプリケーションナンバーを取得
  3. 予約受付サイトで申し込み

試験予約は、締切の4営業日前までに完了させる必要があります。キャンセルや修正は不可のため、申込内容に誤りがないよう慎重に行いましょう。

試験費用と注意点

  • 受験料は15,000円
  • 予約後のキャンセル不可
  • 欠席でも返金なし

雇用主が準備すべき受け入れ要件

雇用側の条件

受け入れ企業や農業事業者は、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 耕種または畜産農業を実際に営んでいること
  • 外国人労働者と雇用契約を結んでいること
  • 過去5年以内に6カ月以上の労働者雇用または労務管理経験があること
  • 農業特定技能協議会に加入していること

特定技能2号では、特定技能1号と異なり外国人への支援業務の義務はありません。

在留資格申請の流れ

  1. 特定技能1号で実務経験を積む(2年以上の指導経験または3年以上の実務)
  2. 2号農業技能測定試験に合格
  3. 出入国在留管理局に在留資格変更許可申請を提出

申請時には合格証明書や経験証明書、雇用契約書など、各種書類の提出が必要となります。

日本語能力と試験の関係

試験問題にはふりがなが付されており、日本語の難易度は比較的低めです。しかし、理解力は必須のため、日本語能力試験(JLPT)でN3程度の能力は求められると考えられます。N2以上であれば、より安心して試験に臨めます。

農業分野特有の注意点

  • 分野の区分(耕種/畜産)をまたいでの試験受験は不可
  • 実務経験の証明は前職場からの取得が必要
  • 経験証明書が取得できない場合は関係機関に相談

特に、別の分野から農業分野に転職してきた場合、経験が不足している可能性があるため注意が必要です。

学習用テキストと対策方法

農業分野の2号技能測定試験には、学習用テキストが公開されています。これには、日本の農業の基本知識から、具体的な作業や機器の扱い、安全衛生の知識まで網羅されています。受験者はこのテキストを基に試験対策を進めることが推奨されます。

まとめ

農業分野における特定技能2号の導入は、外国人材の長期雇用や安定した労働力確保のために大きな一歩です。

受験には実務経験や日本語力が求められますが、試験の合格率は決して低くなく、学習用テキストによる事前準備で十分に対応可能です。

受け入れ側も、雇用体制の整備や協議会への参加など、適切な対応を行うことで、制度の活用が可能となります。

農業分野における外国人雇用の可能性を広げる特定技能2号。制度を正しく理解し、効果的に活用していくことが重要です。