外食業が特定技能2号の対象分野となったことで、外国人材の長期雇用や店舗運営への戦力化が可能になりました。本記事では、特定技能2号の外食業分野における概要、申請要件、必要な試験、実務経験、試験の内容や合格基準、企業にとってのメリットなどを整理し、制度理解と実務対応を支援します。
外食業における特定技能2号の概要
特定技能2号とは
特定技能2号は、特定技能1号よりも高度な技能と実務経験を備えた外国人が取得できる在留資格です。技能水準が高く、店舗運営や人材指導などを担える即戦力人材の確保が目的です。
特定技能1号との違い
| 比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 最大5年まで | 更新制限なし |
| 家族帯同 | 原則不可 | 配偶者・子の帯同可能 |
| 永住権取得可否 | 不可 | 条件を満たせば取得可能 |
| 求められる役割 | 現場作業 | 指導・監督、店舗運営の補佐など |
外食業特定技能2号の申請要件
必須条件
外食業分野で特定技能2号を取得するには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
- 技能試験への合格
- 日本語能力試験(JLPT)N3以上の合格
- 2年以上の店舗運営補助・指導経験
技能試験の詳細
- 試験名:外食業特定技能2号技能測定試験
- 主催団体:一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)
- 実施頻度:年3回程度(日本国内のみ)
- 合格基準:満点の65%以上
日本語能力の基準
- JLPT(日本語能力試験)のN3以上が必要
- JLPTは「日常会話がある程度できる」レベル
- 特定技能2号ではJFT-Basicは対象外
実務経験の要件
必須の実務内容
- 飲食店で2年以上の管理・指導業務
- サブリーダーや副店長としての経験
- シフト表、辞令書などでの証明が必要
注意点
- 留学・家族滞在・技能実習中の業務経験は対象外
- 本国での職歴も実務経験には含まれない
経過措置について
2023年6月10日時点で、特定技能1号の在留期間が2年6か月未満の者に対しては、残存期間に応じた短縮要件が適用されます。該当者は2年未満の実務経験でも申請可能な場合があります。
試験の構成と出題範囲
試験方式と言語
- 試験は日本語のみ(漢字にルビなし)
- マークシート式ペーパーテスト
- 試験時間:70分
- 学科試験+実技試験
学科試験の範囲
| 項目 | 問題数 | 配点 |
|---|---|---|
| 衛生管理 | 10問 | 40点 |
| 飲食物調理 | 5問 | 10点 |
| 接客全般 | 10問 | 30点 |
| 店舗運営 | 10問 | 40点 |
| 合計 | 35問 | 120点 |
実技試験の範囲
| 項目 | 問題数 | 配点 |
|---|---|---|
| 衛生管理 | 5問 | 40点 |
| 飲食物調理 | 5問 | 20点 |
| 接客全般 | 5問 | 30点 |
| 店舗運営 | 5問 | 40点 |
| 合計 | 20問 | 130点 |
特定技能2号の申請手続きの流れ
- 管理・指導業務の実務経験(原則2年)
- JLPT(N3以上)合格
- 技能測定試験に合格
- 必要書類を準備し、地方出入国在留管理局へ申請
提出が必要な書類(一部)
- 在留資格変更許可申請書
- 外食業技能試験の合格証明書
- JLPT N3以上の合格証明書
- 保健所の営業許可証
- 所属機関の誓約書・協議会構成員証明書 など
企業が外国人を雇用するメリット
長期的な人材確保が可能
特定技能2号外国人は、更新制限がないため長期雇用が可能です。管理職候補として育成しやすく、店舗運営の要として活躍が期待されます。
優秀な人材を集めやすくなる
「特定技能2号を取得できる職場」は外国人にとって魅力的です。採用活動時に大きなアピールポイントとなり、求人応募が増える傾向があります。
特定技能2号を見据えた計画が重要
多くの外国人労働者は、特定技能1号から2号への移行を目指しています。採用段階から指導・管理の経験を積ませる計画を立てておくことで、申請要件のスムーズな達成が可能になります。
企業としても、特定技能2号の制度を活用することで、人手不足の解消や組織の安定化につながるでしょう。
まとめ
外食業で特定技能2号を取得するためには、高度な技能と日本語力、そして指導・管理経験が必要です。企業は、長期雇用と店舗運営の安定化を実現でき、外国人労働者にとってもキャリアアップのチャンスとなります。今後の採用戦略において、特定技能2号制度の理解と活用がますます重要になるでしょう。
導入を検討している企業は、早期の準備と制度理解を進めることが、他社との差別化に直結します。特定技能2号の外国人材の求人・雇用を見据えた取り組みが、優秀な人材の確保につながるはずです。
