2024年は、特定技能制度および外国人雇用制度に関する多くの改正・追加が行われた年となりました。新分野の受け入れや試験の再開・実施、育成就労制度の導入準備、在留資格変更手続きの見直しなど、外国人材を雇用する企業にとって重要な情報が次々と発表されています。本記事では、2024年後半から2025年初頭にかけての主要な動向を整理し、外国人の雇用管理や受け入れ体制の強化に役立つ内容を解説します。
特定技能制度の拡充と新分野の追加
自動車運送業と鉄道分野が新たに対象に
2024年12月、自動車運送業分野において特定技能1号評価試験が開始されました。試験はペーパーテスト方式の出張試験として実施され、企業・団体からの申請に基づく形で進められています。同分野に関しては、学習用テキストの公開も行われ、企業の受け入れ体制の整備が求められます。
また、鉄道分野でも初の在留資格「特定技能1号」が認定され、正式に受け入れが始まりました。これにより交通インフラ業界でも外国人材の活躍が進むことが期待されています。
林業・木材産業も対象へ
2024年10月には、新たに「林業分野」「木材産業分野」が特定技能制度の対象として追加されました。受け入れに先立ち、運用要領やQ&Aが公開されており、今後の人材戦略に重要な情報となります。
試験制度の動向と再開状況
JFT-Basic試験が国内で再開
不正事案により一時停止されていた「JFT-Basic」の国内試験が、2024年12月20日より再開されました。これにより、新規受験予約が可能となり、外国人材が在留資格申請に必要な日本語力を証明するための選択肢が復活しました。
海外での評価試験も拡充
飲食料品製造業や外食業分野において、ベトナムなど海外での試験実施が決定されました。各試験はIIGベトナムの会場にて2025年初頭から順次行われ、試験予約はオンラインで受付。試験時間は70分で、受験機会の拡大が図られています。
育成就労制度の導入と制度改革
技能実習制度からの移行が本格化
技能実習制度に代わる「育成就労制度」が2027年施行を目指して準備されています。制度の運用に向けた有識者会議の設置や基本方針の策定が進められており、2025年には関連省令や運用ルールが明らかにされる見込みです。
転籍制限の緩和と生活支援措置
2024年11月には、転籍中の技能実習生への在留管理制度の対応が改正されました。暴力やハラスメントなど「やむを得ない事情」に該当する場合の転籍を柔軟に認める運用が明文化され、申請手続きの明確化や在留資格の一時的変更(特定活動)も可能とされました。
在留資格申請と窓口対応の注意点
申請件数増加による審査遅延に注意
2025年1月から4月にかけて、「技能実習2号」から「特定技能1号」への申請が集中すると予測されています。書類不備による不許可や審査遅延を防ぐために、オンライン申請の活用や、必要書類の事前確認が重要です。
オンラインでの進捗確認と対応
オンライン申請では、申請後の進捗状況をシステム上で確認できるため、窓口の混雑を避けるうえでも有効です。ただし、窓口での進捗に関する問い合わせには原則回答されないため、オンライン管理が推奨されています。
外国人雇用に関する最新データと環境整備
外国人労働者数が過去最多を更新
2024年6月末時点で、在留資格「特定技能」で滞在する外国人の数は25万人を超え、過去最多を記録しました。特定技能1号の最多分野は飲食料品製造業で、ベトナム国籍者が最も多く、全体の約半数を占めています。
最低賃金の全国平均が引き上げ
2024年度の最低賃金は全国加重平均で1,055円となり、前年より51円の増加。これにより外国人労働者の労働条件改善と雇用維持が求められます。すべての事業主は地域別賃金の確認と対応が必要です。
今後の展望と企業への影響
特定技能2号への試験スケジュール公表
製造、外食業、飲食料品製造業などで、特定技能2号試験の実施が本格化しています。スケジュールが公表され、受験料や手続きに関する情報も明示されており、長期雇用を見据えた人材確保に役立ちます。
「特定技能1号」への移行支援策
在留期限内に必要書類が整わない場合でも、企業で就労を続けながら移行準備ができるよう、「特定活動(就労可・6か月)」への変更が認められています。申請時期や更新制限に注意しながら柔軟に対応することが重要です。
まとめ
特定技能制度と外国人雇用に関する動向は急速に変化しています。新分野の追加、試験実施体制の再構築、制度改正に伴う対応など、企業側の情報収集と対応力がますます問われる状況です。今後も採用・雇用現場において、正確な情報に基づいた判断と運用が求められます。
