2023年は、外国人雇用と特定技能制度において大きな変化と制度改正が相次いだ1年でした。新型コロナ対策の終了に伴う手続きの見直し、特定技能2号の対象拡大、技能実習制度の廃止に向けた議論、登録支援機関制度の更新、外国人労働者の受け入れ実態など、雇用側が把握しておくべき重要なトピックスが多数あります。
本記事では、求人や雇用管理に関わる実務者が知っておくべき制度改正や統計情報を、見出しごとにわかりやすく整理して解説します。
特定技能制度の主な変更と運用見直し
対面面談が必須に:WEB面談の取扱い終了
これまで特定技能1号外国人との定期面談は、WEB形式でも認められていましたが、2023年12月末をもってこの措置が終了しました。2024年1月以降は、原則として対面での面談が義務付けられ、テレビ電話などは不可となります。受入れ機関はスケジュール管理と交通費などの負担を見直す必要があります。
資格外活動許可のオンライン申請が利便性向上
2024年1月から、在留資格を持つ外国人がオンラインで申請した「資格外活動許可」の受け取りが郵送で可能になりました。これにより、入管窓口に出向く手間を削減でき、雇用側の手続き負担も軽減されます。
外国人労働者数と入国者数の増加傾向
外国人の在留者数が過去最多を更新
2023年上半期の統計によると、日本に在留する外国人数は320万人を超え、過去最多を更新しました。新型コロナによる入国制限の緩和が影響し、短期滞在者や技能実習生、留学生などの入国も大幅に増加しています。特定技能制度の枠組みでの新規入国者数は引き続き注目される動向です。
特定技能2号の拡大と試験実施
対象分野の拡大が閣議決定、11分野へ
特定技能2号は、これまでの「建設」「造船・舶用工業」の2分野に加え、2023年に新たに9分野が追加され、計11分野に拡大されることが閣議決定されました。これにより、中長期的な人材確保が可能になり、雇用主にとってもより柔軟な人材活用が期待されます。
外食・飲食料品製造・製造業で2号試験実施予定
各業界では特定技能2号の技能測定試験実施に向けた準備が進んでおり、2024年3月までに外食業、飲食料品製造業での試験が予定されています。また、製造業分野ではサンプル問題も公開されており、受験準備がしやすくなっています。
技能実習制度の見直しと新制度の提案
技能実習制度は廃止へ、新制度創設の動き
有識者会議では、技能実習制度の廃止と新たな制度への移行が提案されています。新制度は「人材育成と確保の両立」を目指し、より実態に即した制度設計が求められています。特定技能制度への移行支援や転籍の柔軟化も議論されています。
違法就労の抑制へ、実習先の法令違反率は7割超
厚生労働省の調査によれば、監督指導を受けた実習実施者のうち7割以上に労働法令違反が認められたとされており、今後はより厳格な運用が予想されます。求人の際には労働環境の整備が重要になります。
外国人雇用に関連する法制度と運用指針の変更
雇用契約の一部変更が届出不要に
特定技能雇用契約に関して、賃金の増額など外国人にとって有利な条件変更であれば、契約変更の届出が不要になりました。これにより、雇用条件の改善がしやすくなり、円滑な雇用管理が可能となります。
登録支援機関の更新手続きが本格化
登録支援機関の有効期間は5年間であり、初期登録機関は更新期限を迎えています。更新手続きは期限の6か月前から4か月前までに行う必要があります。未更新や廃止報告の遅れには注意が必要です。
各種支援・教育施策の展開
「生活・就労ガイドブック」や「やさしい日本語」ガイドラインの普及
外国人の円滑な定着を支援するため、「生活・就労ガイドブック」や「やさしい日本語ガイドライン」が整備され、地方自治体や企業向けに提供されています。こうした資料を活用することで、外国人労働者とのコミュニケーションや定着支援がしやすくなります。
日本語教育機関の認定制度と教員資格制度が創設
外国人留学生の受け入れに不可欠な日本語教育の質を確保するため、2024年から日本語教育機関の認定制度および登録日本語教員の資格制度が導入されます。教育体制の信頼性向上が期待されます。
まとめ:制度変化への対応が外国人雇用のカギ
2023年は、特定技能制度と技能実習制度を中心に多くの制度改正が行われた年でした。求人や採用活動を行う企業は、各制度の変更点を適切に把握し、合法かつ円滑な外国人雇用を推進することが求められます。今後は制度の一体化や新制度の創設も進むと予測されるため、引き続き最新情報のチェックが必要です。
