特定技能「自動車整備」の外国人雇用方法と評価試験の全解説

深刻な人手不足が続く自動車整備業界では、外国人材の活用が注目されています。本記事では、特定技能「自動車整備」の概要や業務内容、取得要件、評価試験の詳細、企業側の受け入れ条件までを解説します。外国人材を即戦力として雇用するために必要な制度や試験内容を把握し、実際の採用や求人活動に活かすことが重要です。

特定技能「自動車整備」とは何かを正しく理解する

人材不足に対応するための在留資格制度

自動車整備業界は、少子高齢化や若年層の職業選好の変化により、深刻な人材不足に直面しています。その対策の一環として導入されたのが、特定技能「自動車整備」です。これは、即戦力となる外国人を対象に、一定の技能を証明することで就労が可能になる在留資格です。

この制度は、国内の求人ニーズを補う形で整備され、専門技術を持った外国人の受け入れを促進するものです。今後、安定的な雇用を実現するうえでも重要な制度といえます。

自動車整備業務における外国人の就労範囲とは

実際に従事可能な整備業務の内容

特定技能の資格で従事できる業務は、以下の通りです。

  • 日常点検整備(エンジンオイル交換やタイヤ点検など)
  • 定期点検整備(車検整備や定期交換部品の点検)
  • 分解整備(ブレーキや足回りなどの分解・整備)

これらに関連する業務、たとえば部品の販売や車両清掃作業なども含まれるため、整備工場だけでなく、ガソリンスタンドやカー用品販売店なども雇用の対象になります。

求人の幅を広げる多様な雇用先

従来は整備工場が主な就労先でしたが、現在では設備のあるガソリンスタンドやサービスピットを持つ販売店も求人対象になっています。多様な職場での雇用が可能となり、より幅広い業種で外国人材を受け入れられる環境が整っています。

特定技能1号「自動車整備」の取得方法と要件

資格取得には2つのルートがある

特定技能1号を取得するには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  1. 特定技能評価試験と日本語試験の合格
  2. 技能実習2号(自動車整備)を修了していること

このどちらかに該当すれば、在留資格を得て日本国内での雇用が可能となります。

自動車整備分野の評価試験とその内容

評価試験の目的と構成

特定技能評価試験は、一定の整備知識と技術を持つことを証明するための試験です。学科と実技で構成され、整備現場に必要な基礎力を評価します。

学科試験の主な出題内容

  • 自動車の構造や取り扱い方法に関する知識
  • 整備工具や機器の使用法
  • 材料・燃料に関する基本的な性質と用途

出題は○×形式で30問、試験時間は60分です。

実技試験の内容と評価基準

  • 基本的な工作作業(ねじ締め、部品の組立など)
  • 部品の分解と点検、調整
  • 整備機器の正しい使用方法

実技は3つの課題で構成され、合計20分間の試験が行われます。合格基準は、学科65%以上、実技60%以上の得点です。

日本語試験の要件とレベル

日常会話ができる程度の日本語力が必要

特定技能1号では、日本語能力も重要な評価基準です。以下のいずれかに合格していなければなりません。

  • 日本語能力試験(JLPT)N4以上
  • 国際交流基金日本語基礎テスト合格
  • A2相当以上の水準と認められる他の試験

このレベルでは、簡単な会話が理解でき、日常生活に支障がない程度の日本語能力が求められます。

技能実習2号からの無試験移行も可能

実務経験者はスムーズに資格変更が可能

既に技能実習制度を通じて日本で自動車整備の経験を積んでいる外国人は、試験を受けることなく特定技能1号へ移行することができます。この制度により、既存の人材を継続して雇用しやすくなるという利点があります。

特定技能2号「自動車整備」の取得要件と試験

より高度な技術を持つ外国人材向け資格

特定技能2号は、より熟練した技術を持つ人材を対象とした制度です。以下の条件を満たす必要があります。

  • 自動車整備士技能検定2級または特定技能2号評価試験に合格
  • 地方運輸局認証の整備工場で3年以上の実務経験

評価試験の試験範囲と内容

試験は学科・実技ともに2級整備士試験と同等レベルです。学科では法規や保安基準なども問われ、実技では完成検査や高度な修理技術も含まれます。これにより、2号を取得した外国人は長期的かつ安定的な雇用が期待できます。

特定技能外国人を雇用する企業に求められる条件

認証整備工場であることが前提

外国人を受け入れるには、企業側にも一定の条件が求められます。主な要件は以下のとおりです。

  • 地方運輸局長から認証を受けた整備事業場であること
  • 適切な支援体制を整備していること

受け入れ企業に求められる支援体制

外国人雇用後には、以下のような支援を行う義務があります。

  • 出入国の送迎
  • 住居の確保と生活支援
  • 日本語学習機会の提供
  • 苦情対応とメンタルサポート
  • 行政機関への報告と面談の実施

これらの支援は、自社で実施するか、登録支援機関に委託することが可能です。

自動車整備分野特定技能協議会への加入義務

制度運用の透明性確保と情報共有のために

特定技能「自動車整備」の外国人を雇用する企業は、分野別協議会への加入が義務づけられています。協議会では制度の適正運用のための情報共有や協力体制の整備が行われており、加入後は継続的な協力も求められます。

まとめ

今後も高齢化と人材不足が進む自動車整備業界において、特定技能制度の活用は持続的な雇用確保の有力な手段となります。

必要な要件を正確に理解し、試験制度や支援体制を整えることで、即戦力となる外国人材の雇用が可能になります。制度を活用し、求人活動の選択肢として積極的に検討することが求められます。