2021年度における特定技能制度関連の政策変更、雇用支援、入国制限緩和などに関する動きが多数ありました。出入国在留管理庁や関係省庁は、新型コロナウイルスの影響に対応しつつ、外国人の就労支援や制度の整備を進めました。
特にオンライン申請の拡充、在留資格認定証明書の有効期間延長、業界ごとの就労支援策など、外国人材の雇用促進と安定的な受け入れに向けた取り組みが多く見られました。
特定技能制度に関する主要な制度変更
オンラインによる在留申請手続の拡大
出入国在留管理庁は、在留申請オンラインシステムの対象を拡大し、外国人本人による申請も可能としました。マイナンバーカードと公的個人認証サービスを活用することで、申請の利便性が向上しました。
在留資格認定証明書の有効期間延長
新型コロナウイルスによる入国制限を受け、在留資格認定証明書の有効期間が延長されました。2020年1月以降に発行された証明書は、条件を満たすことで引き続き有効とみなされます。
新型コロナウイルス対応と外国人の入国制限緩和
入国者数の上限引き上げと新規入国の再開
感染状況の変化に応じて、日本政府は段階的に水際対策を緩和し、1日当たりの入国者数上限を引き上げました。これにより、留学生や技能実習生などの新規入国が徐々に再開されました。
ワクチン接種証明による待機期間の短縮
有効なワクチン接種証明を所持する場合、入国後の待機期間が短縮または免除される措置が導入されました。これにより、就労や研修などの活動再開が迅速に行える環境が整備されました。
特定技能外国人の雇用支援施策
外国人労働者相談窓口の多言語対応強化
労働局では、外国人労働者からの相談に対応するため、特別相談室における対応言語を拡充しました。アジア圏の主要言語を追加し、より多くの利用者が安心して相談できる体制が整えられました。
外国人介護人材への支援と研修
介護分野においては、外国人介護人材の定着を促進するため、受け入れ施設への訪問支援や研修助成などが行われました。また、外国人向けの「生活・就労ガイドブック」も最新版が公開され、日常生活や職場で役立つ情報が提供されています。
特定技能試験と制度運用の見直し
特定技能2号に向けた評価試験の検討
建設や製造分野では、特定技能1号から2号への移行を見据えた評価試験の実施に向けた調査・準備が進められました。今後の制度拡充に伴い、より長期的な就労が可能となる環境整備が期待されます。
制度違反に対する指導と改善
特定技能外国人を受け入れる事業所に対する監督指導も強化されました。特に建設業などでは、就労条件や認定計画の不備が見つかるケースが多く、適正な雇用管理が求められています。
地方自治体の取り組みと支援制度
各地での雇用支援補助金・研修助成
多くの自治体が、外国人労働者の受け入れ支援として補助金や研修制度を導入しました。宿泊費補助、待機期間中の支援、受入れ環境整備費用などが補助対象となり、事業者の負担軽減につながっています。
外国人材の動向と入国者数の推移
入国者数の増加と地域別傾向
月別の統計では、入国者数が一時的に増加した時期もありました。特にオリンピック開催時期には大幅な増加が確認されています。また、国別ではベトナム、フィリピン、中国、インドネシアなどが上位を占めています。
在留資格取消の増加と注意点
2020年度の在留資格取り消し件数が過去最多となり、多くが「技能実習」や「留学」の資格での活動停止が理由とされています。在留資格に応じた活動の継続が厳しく管理されており、企業にも適正な管理が求められます。
まとめと今後の見通し
2021年度は新型コロナウイルスの影響を受けながらも、特定技能制度の拡充と外国人材の雇用支援が進められた1年となりました。制度運用の柔軟化、情報提供の多言語化、各種助成の充実などにより、企業の受入体制が強化されています。
今後も、特定技能2号の導入や評価試験の拡大に伴い、より多様な外国人材の安定的な雇用が期待されます。採用担当者は、常に最新の制度変更や支援策を把握し、適切な雇用管理体制を整えることが重要です。
