特定技能の16分野と職種を徹底解説!外国人雇用の実務ガイド

特定技能は、人手不足が深刻な分野において外国人労働者の雇用を可能にする在留資格で、2024年には新たに4分野が追加され、対象は16分野となっています。本記事では、各分野で従事できる業務内容、雇用形態、試験制度などを整理し、特定技能制度の基本と活用方法について解説します。

特定技能とは?就労可能な分野と制度の概要

外国人雇用を支える特定技能制度

特定技能とは、深刻な人手不足に対応するため、特定の産業分野で外国人の就労を認める在留資格です。制度は2019年に創設され、特定技能1号と2号の2種類が存在します。特定技能1号は就労期間が最大5年、特定技能2号は更新制限がなく家族の帯同も可能です。

特定技能の特徴と制度背景

特定技能の大きな特徴は、単純労働も一部含めた実務作業が可能である点です。以前はこうした労働に外国人が従事することは難しかったのですが、労働力不足を背景に制度化されました。学歴要件はなく、技能試験と日本語試験に合格することで在留資格の取得が可能です。

特定技能で働ける16分野|職種と業務内容の詳細

2024年に4分野が追加され、特定技能の対象は16分野となりました。分野ごとに雇用形態や業務範囲、必要な試験が異なります。

1. 介護

  • 主な業務:入浴、食事、排泄などの身体介護と付随業務
  • 雇用形態:直接雇用のみ
  • 特徴:訪問系サービスは不可。2号の設定はなく、継続希望者は「介護」資格取得が必要

2. ビルクリーニング

  • 主な業務:事務所や店舗などの建物内部の清掃
  • 雇用形態:直接雇用のみ
  • 特徴:一部ホテルでの客室清掃も可能。清掃業界の求人倍率は高水準

3. 工業製品製造業

  • 主な業務:素形材加工、産業機械製造、電子機器組立など
  • 雇用形態:直接雇用
  • 特徴:3分野が統合された形で、業務内容は非常に多岐にわたる

4. 建設業

  • 主な業務:建築・土木・設備関連作業
  • 雇用形態:直接雇用
  • 特徴:技能実習からの移行が多い。業務区分は3種類に再編

5. 造船・舶用工業

  • 主な業務:溶接、塗装、電装、鉄工などの工程作業
  • 雇用形態:直接雇用
  • 特徴:「溶接」が最多。2号の試験は溶接のみ実施中

6. 自動車整備

  • 主な業務:点検、修理、部品交換、整備関連業務
  • 雇用形態:直接雇用
  • 特徴:比較的新しい分野。受け入れ数は少なめ

7. 航空

  • 主な業務:地上支援(グランドハンドリング)と機体整備
  • 雇用形態:直接雇用
  • 特徴:グランド業務が中心。2号試験は未実施

8. 宿泊

  • 主な業務:フロント、接客、レストラン対応など
  • 雇用形態:直接雇用
  • 特徴:特定の施設では就労不可。業務範囲は幅広いが在留者数は少数

9. 農業

  • 主な業務:作物栽培、畜産、関連作業(除雪など)
  • 雇用形態:直接・派遣ともに可
  • 特徴:技能実習からの移行者多数。試験実施国が多く受験しやすい

10. 漁業

  • 主な業務:漁労、養殖、漁具操作・修理など
  • 雇用形態:直接・派遣
  • 特徴:繁忙期に合わせた派遣が可能。日本語能力N3が要件

11. 飲食料品製造業

  • 主な業務:食品加工、品質管理、安全衛生など
  • 雇用形態:直接雇用
  • 特徴:在留者数が最も多い。スーパーのバックヤード作業も対象

12. 外食業

  • 主な業務:調理、接客、店舗運営補助
  • 雇用形態:直接雇用
  • 特徴:語学力を活かしやすい分野。2号取得には管理経験が必要

13. 自動車運送業(新設)

  • 主な業務:トラック、バス、タクシーの運転業務
  • 雇用形態:直接雇用
  • 特徴:2024年新設。運転免許とN3以上の日本語能力が要件

14. 鉄道(新設)

  • 主な業務:整備、運輸、設備保守など
  • 雇用形態:直接雇用
  • 特徴:運輸係員には高い日本語能力が求められる

15. 林業(新設)

  • 主な業務:育林、素材生産、林業用苗の育成など
  • 雇用形態:直接雇用
  • 特徴:試験開始は2025年3月予定

16. 木材産業(新設)

  • 主な業務:製材、合板製造など
  • 雇用形態:直接雇用
  • 特徴:試験は既に開始。国外試験も準備中

特定技能試験の内容と申請要件

特定技能1号の取得方法

1号取得には、技能試験と日本語試験の合格が必要です。日本語試験は、JLPT N4以上またはJFT-Basicで基準点を超える必要があります。技能試験は分野ごとに設定されており、受験国や試験形式も異なります。

特定技能2号の取得方法

2号取得には、分野別の上級技能試験合格と実務経験が求められます。また、外食業と漁業では日本語能力N3が必須となり、他の分野では日本語試験が不要です。試験申し込みは多くの分野で企業担当者から行う必要があります。

特定技能外国人の雇用を成功させるために

外国人雇用における実務ポイント

特定技能外国人を雇用するには、分野ごとの制度を正確に理解することが重要です。分野により、従事できる業務範囲や試験要件が異なり、同じ業種内でも制度上の制限があるため、求人内容との整合性を確認する必要があります。

また、特定技能は直接雇用が原則ですが、農業や漁業など一部では派遣も可能です。これにより、繁忙期や人手不足に合わせた柔軟な雇用が可能になります。

まとめ

特定技能制度は、少子高齢化が進行する日本にとって欠かせない労働力の確保手段です。2024年以降、対象分野の拡大や2号資格の導入により、長期的に安定した雇用が期待されています。

多様な職種で即戦力となる特定技能外国人を積極的に受け入れることで、企業の人材確保や業務効率化に大きく貢献することが可能です。制度の正しい理解と活用が、今後の採用戦略のカギとなるでしょう。