特定技能や就労ビザで外国人をアルバイト雇用する際の注意点

外国人材のアルバイト雇用において、企業側には在留資格や就労制限に関する正確な理解が求められます。特に就労ビザを持つ外国人の副業や、アルバイト雇用時の許可の有無により、企業が不法就労助長罪に問われるリスクも存在します。

本記事では、就労ビザの基本的な概要と副業に関する制限、特定技能や資格外活動許可の仕組み、在留カードの確認ポイントなど、外国人労働者を適法に雇用するために押さえるべき実務上のポイントを整理します。

外国人のアルバイト雇用と就労ビザの基礎知識

「就労ビザ」とは?在留資格の位置づけ

一般に「就労ビザ」と呼ばれるものは正式な在留資格の名称ではなく、「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」など、就労可能な在留資格をまとめて指す通称です。これらの在留資格を持つ外国人は、日本で定められた業務範囲内に限って労働が認められています。

就労ビザ保有者の副業・アルバイトは可能か?

同一業務範囲であれば副業は可能

「技術・人文知識・国際業務」のような就労ビザを持つ外国人が、本業と同じ業務内容で他社で働く場合、その内容が在留資格で定められた範囲内であれば副業やアルバイトとしての雇用は可能です。しかし、実際には条件を満たすケースはまれです。

業務範囲外の雇用には資格外活動許可が必要

在留資格の範囲外の業務(例:飲食店勤務、清掃作業など)を行う場合は、資格外活動許可が必要です。この許可は個別の事情に基づいて審査されるため、簡単に得られるものではなく、本業に支障がない範囲でのみ認められます。

「高度専門職」の場合は副業の柔軟性が高い

「高度専門職」の在留資格を持つ外国人は、一定条件の下で本業に関連する副業が認められる場合があります。就労内容に柔軟性があり、複数の活動を併せて行うことが可能です。

特定技能とアルバイト雇用の関係

特定技能での就労は可能か?

「特定技能」は人手不足が深刻な特定産業分野での労働を可能とする在留資格で、店舗勤務や製造業、清掃などの業務が認められています。ただし、特定技能で働く場合はフルタイム雇用が基本で、時給制のアルバイト雇用は想定されていません。

資格外活動許可とその申請方法

アルバイトが可能となる資格外活動の例

留学生や家族滞在の在留資格を持つ外国人がアルバイトをする場合、資格外活動許可が必要です。留学生は1週間あたり28時間以内(長期休暇中は1日8時間以内)といった時間制限もあります。

許可申請の手続き概要

  • 申請者:本人
  • 申請先:住所地を管轄する出入国在留管理官署
  • 必要書類:包括許可の場合は申請書、個別許可では業務内容を記した書類も必要
  • 審査期間:通常1か月程度

不法就労のリスクと企業の責任

許可のない労働は不法就労

資格外活動許可なしに在留資格の範囲外で働かせることは不法就労にあたり、企業にも刑罰が科される可能性があります。罰則には最大3年以下の懲役または300万円以下の罰金が含まれます。

雇用前に在留カードの確認が必須

在留カードには在留資格や資格外活動許可の有無が記載されています。カードの偽造を防ぐため、ホログラムの色変化や透かしなど複数の真偽判定ポイントを確認する必要があります。ICチップ読み取りアプリの活用も推奨されます。

アルバイト雇用で就労ビザの取得はできるのか?

フルタイムでないと取得は難しい

就労ビザの取得には、業務内容が専門性を有し、日本人と同等の待遇であることが求められます。時給制やパートタイム勤務などのアルバイト形態では、原則として取得は困難です。

「特定技能」での雇用を検討

アルバイト雇用を前提とする場合、店舗勤務や工場作業などを対象とした「特定技能」資格への切り替えや新規取得を検討する必要があります。

アルバイト雇用が可能な在留資格と条件

1. 留学生

資格外活動許可を取得すれば、週28時間までアルバイトが可能です。ただし、複数の勤務先の合計時間が28時間を超えないよう注意が必要です。

2. 家族滞在

配偶者や子供として在留している場合、資格外活動許可を取得することでアルバイトが可能です。こちらも週28時間までの制限があります。

3. 就労制限のない在留資格

「永住者」「日本人の配偶者等」などの在留資格を持つ外国人は、資格外活動許可が不要で、時間制限もありません。

4. 特定活動(就職活動・帰国困難)

「特定活動(就職活動)」や「特定活動(帰国困難)」などの在留資格を持つ外国人も、条件を満たし資格外活動許可を取得すればアルバイトが可能です。

まとめ

外国人をアルバイトとして雇用する場合、その在留資格に応じた対応が不可欠です。特に就労ビザを持つ外国人が副業として働くには在留資格の業務範囲内であるか、または資格外活動許可があるかの確認が重要です。

誤った雇用は企業にとって重大なリスクとなり得るため、在留資格の内容や在留カードの確認を徹底し、適法な雇用管理を行いましょう。