外国人を日本で雇用するには、就労ビザ(就労可能な在留資格)の取得が必要です。この記事では、企業側が理解しておくべき就労ビザの基礎知識、申請方法、必要書類、ビザの種類による申請パターンの違いなどを詳しく解説します。特に「特定技能」や「技術・人文知識・国際業務」といった主要なビザの取得手続きを中心に、実務に役立つ情報を網羅しています。
就労ビザとは何か?在留資格との違い
就労ビザは就労可能な在留資格のこと
一般的に「就労ビザ」と呼ばれるのは、外国人が日本で働くことが認められている在留資格のことです。法律上は「在留資格」と「ビザ(査証)」は異なる概念で、ビザは入国時に必要な許可証であり、在留資格は日本での活動内容を定める法的ステータスです。就労が認められる在留資格には制限があり、2021年時点で19種類が定められています。
主な就労ビザの種類
代表的な就労ビザには以下のようなものがあります。
- 技術・人文知識・国際業務
- 特定技能
- 技能実習
- 高度専門職
- 介護
- 経営・管理
- 教育
- 医療
- 法律・会計業務
- 研究 など
これらの在留資格を持たない外国人が就労するには、資格外活動許可が必要です。
就労ビザ申請の3パターン
1. 新規の就労ビザ申請
海外に住む外国人を新たに採用し、日本に呼び寄せる場合は「在留資格認定証明書」の交付を申請します。企業が代理人として手続きし、取得後は外国人本人がビザを申請します。
2. 在留資格に変更がなく勤務先を変える場合
すでに就労ビザを持つ外国人が別の会社へ転職する場合、14日以内に出入国在留管理庁へ「所属機関等に関する届出」を行います。加えて「就労資格証明書」の取得を推奨します。これは、転職後の業務内容が在留資格の範囲内であることを証明する書類です。
3. 在留資格を変更する場合
たとえば留学生を採用する場合、留学ビザから就労ビザへの変更が必要です。「在留資格変更許可申請」を行うことで、就労が可能になります。
就労ビザ申請の流れ(新規申請)
在留資格認定証明書交付申請
企業が管轄の地方出入国在留管理局にて申請します。審査には通常1〜3か月かかります。
証明書の受領と送付
企業に送付された証明書を、採用予定の外国人に郵送します。
ビザ申請と発給
外国人本人が在外日本公館にて証明書を提示し、ビザを申請・取得します。ビザ発給後3か月以内に日本へ入国する必要があります。
必要書類と企業規模による違い
基本的な必要書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 返信用封筒(簡易書留)
- 活動内容に応じた資料
「技術・人文知識・国際業務」の場合の企業カテゴリーと必要書類
企業は規模や信用度により、以下の4カテゴリーに分けられます:
| カテゴリー | 内容 | 必要書類 |
|---|---|---|
| 1 | 上場企業や公的機関 | カテゴリー証明書のみ |
| 2 | 源泉徴収税額が1,000万円以上 | カテゴリー証明書のみ |
| 3 | 中小企業規模 | 上記に加え、業務内容・企業資料・学歴職歴証明など |
| 4 | 新設企業など信用度が低い | カテゴリー3と同様+事業計画書・補足資料 |
書類の量や準備期間は、企業の信用度や規模によって大きく異なります。
特定技能ビザの申請ポイント
特定技能の場合、企業の規模によるカテゴリー分けはありません。ただし以下のような書類が求められます。
- 技能試験の合格証明書
- 日本語能力試験の結果(該当する分野のみ)
- 支援計画書や支援委託契約書(支援を外部に委託する場合)
- 雇用契約書
- 企業情報資料
技能要件の確認が厳格な分、「特定技能」は実務能力を証明する資料の重要性が高いといえます。
就労ビザの審査期間の目安
申請から入国までにかかる期間は以下の通りです(平均値)
- 在留資格認定証明書交付申請:38.9日
- 在留期間更新申請:29.7日
- 在留資格変更許可申請:39.8日
繁忙期(1月〜3月)は審査に時間がかかることもあるため、早めの準備が重要です。
申請時の注意点と企業側の対応
有効期限の管理が重要
在留資格認定証明書の有効期限は3か月。期限内に日本へ入国しないと無効になるため、スケジュール管理が必須です。
不法就労のリスクを防ぐ
在留資格が就労を許可していない場合、外国人を働かせると企業側が不法就労助長罪に問われる可能性があります。採用時には、在留資格と業務内容が合致しているかの確認を徹底しましょう。
まとめ
外国人雇用において、就労ビザの取得と適切な管理は不可欠です。特に新規採用や在留資格の変更においては、企業のサポートが重要となります。特定技能など分野別の要件を正しく理解し、必要書類を準備することで、スムーズな雇用・定着につながります。
