2023年特定技能外国人数の推移と分野別・地域別雇用動向

2023年12月末時点での特定技能による在留外国人数の統計からは、さまざまな業種での求人ニーズが高まっている実態が明らかになっています。特に「飲食料品製造業」「介護」「製造業」などで外国人労働者の雇用が拡大しており、都市部や産業集積地域での受け入れが進んでいます。

本記事では、最新の分野別・地域別の在留外国人数の動向を整理し、特定技能制度を活用した人材確保に向けた視点を解説します。

特定技能制度の概要と在留外国人数の全体傾向

特定技能制度は、労働力不足が深刻な産業分野において、即戦力となる外国人材の受け入れを目的とした制度です。2019年に開始されて以来、年々その活用は拡大しており、2023年12月末には対象分野全体で数十万人規模の外国人が在留しています。

現場の即戦力として期待される特定技能人材は、企業にとっては貴重な労働力の補完となり、求人活動においても重要な位置を占めるようになっています。今後もこの制度が人材不足対策の柱として機能するかが注目されます。

飲食料品製造業など特定技能外国人が多い分野

飲食料品製造業は最大の受け入れ分野

2023年12月時点で、最も多くの外国人が雇用されているのは「飲食料品製造業」で、在留人数は61,095人に達しています。食品加工工場や物流拠点など、労働集約型の職場が多く存在し、慢性的な人材不足が続いているため、求人活動も活発です。

この分野では、特定技能制度の導入によって、外国人労働者を戦力として位置づける企業が増え、長期的な雇用を前提とした育成や定着支援にも注力されています。

製造業関連分野の需要も堅調

「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連」などの製造業系分野では、合わせて40,070人の外国人が在留しており、前年同期比で大幅な伸びを示しています。製品加工や機械組立など、高度な技術と体力を必要とする業務が中心であり、求人倍率も高い傾向にあります。

技術系業種の雇用現場では即戦力が重視される

この分野の企業は、特定技能人材に対して即戦力性を強く求めており、日本語能力や職務理解がある程度備わっていることが採用条件となるケースも多く見られます。よって、外国人材の側にも高い意欲と準備が求められる分野といえるでしょう。

介護分野での需要増加と課題

「介護」分野では、28,440人の特定技能外国人が在留しており、前年から1万人以上増加しています。高齢化が進む中、介護施設や訪問介護事業者では深刻な人手不足が続き、求人の競争も激化しています。

この分野では、職務に対する理解と日本語能力が特に重要視されるため、制度設計上も語学力の要件が他分野よりも厳しく設定されています。適切な教育体制の構築が、長期的な雇用の安定につながるといえます。

地域別の特定技能外国人数の推移と背景

愛知や大阪など産業集積地での雇用が顕著

都道府県別に見ると、「愛知県(17,635人)」「大阪府(13,278人)」「埼玉県(12,402人)」といった製造業が盛んな地域での受け入れ人数が多くなっています。これらの地域では工場勤務や部品組立、物流などの求人が豊富であり、特定技能人材のニーズも非常に高いです。

地域経済における特定技能人材の重要性

地方の中小企業にとっても、特定技能制度を通じた雇用は欠かせない存在となりつつあります。とりわけ、若年層の地元離れが進む中、外国人労働者が地域経済を下支えする労働力として期待されています。

都市部ではサービス業や介護が中心

一方で、「東京都(11,365人)」「神奈川県(10,831人)」などの都市部では、介護・外食・ビルクリーニングなどのサービス業を中心とした求人が目立ちます。交通や住環境が整っている都市部は、外国人にとっても働きやすいエリアとされ、雇用の安定につながる要素となっています。

今後の見通しと制度運用における課題

求人の多様化に制度が対応できるかがカギ

今後は、受け入れ分野のさらなる拡大や、特定技能2号への移行促進など、制度の柔軟性が求められる段階に入っています。業種や地域によって求人内容は多岐にわたるため、一律の制度では対応しきれない現場の声も多く上がっています。

雇用の安定化に向けた企業側の取り組み

外国人材が長期的に活躍できる環境を整備するためには、雇用後の教育体制やキャリアパスの明確化が重要です。受け入れ企業が積極的に支援体制を整え、外国人が安心して働ける職場づくりを行うことで、制度の持続的な運用が可能になります。

まとめ

2023年12月末時点でのデータからは、特定技能制度が各業種の人手不足対策として着実に定着している様子がうかがえます。分野別・地域別に見ると、それぞれの事情に応じた求人活動が展開されており、制度をいかに柔軟かつ的確に活用するかが、今後の人材確保における重要なポイントとなります。

企業や自治体が協力して、雇用の安定と外国人材の活躍を両立させることが、持続可能な労働力確保への第一歩となるでしょう。