特定技能ビザ申請に必要な書類と申請ステップを徹底解説

特定技能ビザの取得には、事前準備から申請、入国後の手続きに至るまで多くの工程が存在します。本記事では、特定技能ビザを取得するために必要な書類や、雇用主と外国人本人が実施すべきステップを詳しく解説します。制度を正しく理解することで、求人や雇用活動をスムーズに進めることが可能になります。

特定技能ビザの制度と背景を理解する

特定技能ビザは、深刻な人手不足が進む産業分野において、即戦力となる外国人材を受け入れることを目的に創設された在留資格です。主に以下の2種類があります。

  • 特定技能1号:一定の専門知識または技能を有する外国人が対象で、在留期間は最長5年。家族の帯同は不可。
  • 特定技能2号:熟練した技能を持つ外国人が対象で、在留期間の更新や家族の帯同が可能。

この制度は、単なる労働力確保にとどまらず、外国人との共生社会を目指す枠組みとして位置づけられています。

特定技能ビザ申請に必要な書類を分野ごとに解説

申請人に関する基本的な提出書類

外国人本人が用意すべき書類は以下の通りです。書類の不備は審査遅延や不許可の原因となるため、事前の確認が重要です。

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • パスポートの写し
  • 証明写真(規定サイズ)
  • 日本語能力試験(N4以上)または技能試験の合格証明書
  • 職務経歴書および履歴書

雇用主(所属機関)が提出する必要書類

求人を出す企業・事業者は、特定技能外国人を雇用するにあたり、以下のような書類を提出する必要があります。

  • 登記事項証明書(法人の場合)
  • 決算書類や納税証明書
  • 労働条件通知書または雇用契約書の写し
  • 支援計画書(特定技能1号の場合に義務)

雇用形態が派遣である場合や、分野が農業・漁業である場合などは、追加で指定様式の書類提出が必要となるケースがあります。

分野別に異なる追加書類

特定技能ビザは受け入れ分野によって提出書類が異なります。以下は一例です。

  • 建設業:建設特定技能受入計画の作成と国土交通省の認定
  • 外食業・飲食料品製造業:業種適合確認書類の提出
  • 介護分野:介護技能評価試験および日本語試験の合格証明書

監督官庁が定める基準に従い、分野ごとの様式に沿った書類準備が求められます。

特定技能ビザ申請の流れをステップごとに確認

在留資格認定証明書の交付申請から始まる

特定技能ビザを取得するためには、まず「在留資格認定証明書」の交付申請を行います。これは日本国内の出入国在留管理庁に対して提出するもので、外国人本人ではなく雇用主またはその代理人が手続きを担います。

証明書が交付されると、郵送で返送され、外国人本人の元へ届けられるように手配する必要があります。

在留資格認定証明書の送付には配慮が必要

証明書の送付時には紛失リスクを避けるため、追跡可能な国際配送サービス(例:DHL、EMS、FedEx)を利用するのが一般的です。なお、この証明書の有効期限は3ヶ月であり、期限内に日本へ入国しなければ無効となる点に注意が必要です。

海外の日本大使館または領事館でビザ申請を行う

外国人本人は、証明書と必要な書類を揃えた上で、居住国にある日本の在外公館にビザ申請を行います。必要書類は国によって異なるため、申請前に該当大使館・領事館の公式サイトで最新情報を確認することが重要です。

申請からビザ発給までの期間は数日から数週間程度かかることがあり、証明書の有効期限を考慮して余裕を持ったスケジュール管理が求められます。

入国と在留カードの取得

ビザが発給されたら日本への入国が可能になります。成田・羽田・関西・中部などの主要空港では、入国時に在留カードが即日交付されます。その他の空港の場合、後日郵送での交付となるため注意が必要です。

入国後の手続きと雇用開始のための対応

居住地の登録は14日以内に完了させる

在留カードを受け取った外国人は、日本到着後14日以内に住民登録を行う義務があります。これを怠ると、在留資格の取り消し対象となる可能性があるため注意が必要です。

登録の際には、以下の書類を持参します。

  • 在留カード(または後日交付予定と記載されたパスポート)
  • 転入届
  • パスポート

住民登録が完了すると、在留カードの裏面に住所が記載され、正式に「日本での生活」がスタートします。

雇用契約の履行と支援計画の実施

特定技能1号においては、雇用開始後、受入れ企業は外国人に対する生活支援義務を負います。たとえば、住宅の確保支援、日本語教育支援、相談窓口の設置などが挙げられます。

これらの支援内容が実施されていない場合、企業側の不備として受け入れ停止処分を受けるリスクもあります。求人を出す段階から、外国人材にとって働きやすい環境を整備する意識が必要です。

特定技能ビザ申請における注意点とリスク

特定技能ビザは比較的取得しやすい在留資格とされますが、申請に際してはいくつかの注意点があります。

分野や制度によるルールの違いに留意する

特定技能制度は一律のものではなく、各分野ごとに異なるルールや手続きが設けられています。たとえば、建設業では定期的な報告義務があるほか、外食業では技能試験の更新が求められる場合もあります。

雇用を前提に制度を利用する際は、各分野の最新ガイドラインを熟読することが欠かせません。

書類の不備や誤記は申請遅延の原因に

申請書類にミスがあると、再申請や審査のやり直しが必要になり、求人スケジュールにも大きな影響が出かねません。とくに初めて制度を利用する企業の場合、専門家(行政書士や弁護士)に相談することも検討すべきです。

まとめ

特定技能ビザの申請には、多岐にわたる書類の準備と各種手続きが求められます。雇用主側は、制度への理解を深めるとともに、外国人材が安心して働ける環境を整える責任があります。

申請手続きを円滑に進めるためには、最新の法令情報の確認と、分野ごとのルールへの適切な対応が欠かせません。計画的な準備と専門家の活用が、成功への鍵となるでしょう。