【特定技能】ベトナム人材の雇用と求人手続きの全ステップを解説

特定技能制度により、ベトナム人材の受け入れが広がるなか、求人・雇用に際してはベトナム政府との協定に基づく厳格なルールや複雑な手続きが求められます。

本記事では、ベトナム人を特定技能で雇用するための全体の流れをわかりやすく解説し、採用方法の違いや費用、支援制度の内容、注意点まで詳しく紹介します。

特定技能制度とは何かとベトナム人材の特徴

特定技能が導入された背景と制度の要点

特定技能制度は、2019年4月に施行された新たな在留資格制度で、人手不足が深刻な14業種に限定して、外国人材を中長期的に雇用できる仕組みです。

特定技能には2種類あり、「1号」は5年間の就労が可能で転職も認められています。「2号」は熟練した技能を持つ労働者が対象で、在留期限の上限がなく、家族帯同も可能です。

ベトナム人材が人気な理由と国内在留状況

日本国内におけるベトナム人の在留数は年々増加しており、アジア圏では中国に次いで2位の人数を誇ります。若年層が多く、日本語学習に積極的で、日本文化への適応力が高い点が評価されています。また、平均年齢が30代前半と若く、長期的な雇用が期待できる点でも多くの業界から支持されています。

特定技能でベトナム人を雇用する主なメリット

即戦力人材をスムーズに受け入れられる利点

ベトナム人の多くは、技能実習制度を経て特定技能への移行が可能です。技能実習2号を修了していれば、特定技能の試験が一部免除となり、既に一定の知識・経験を持っているため、即戦力として活躍できる可能性が高まります。

日本語力と文化理解に優れた人材が多い

ベトナムでは日本語教育に力を入れている大学や専門学校が多く、日本語能力試験(JLPT)合格者も増加傾向にあります。また、漢字文化圏であることから日本語の習得が比較的早く、現場でのコミュニケーションも円滑に進みやすいという利点があります。

特定技能ベトナム人を採用する際の制度的な注意点

ベトナム政府の認定送り出し機関の利用が必須

ベトナム国内では、「海外派遣法」により、労働者を国外に送り出す際は、政府認定の送り出し機関を通すことが義務付けられています。日本の企業がベトナム人を求人する場合も、必ずこの機関を経由して雇用契約を締結しなければなりません。

DOLAB推薦者リストに登録された人材のみ採用可能

日本とベトナムの間には「MOC(協力覚書)」という協定が存在し、この協定により、ベトナム政府が認定した「推薦者リスト」に掲載された候補者のみが特定技能人材として日本での就労を許可されています。採用には「DOLAB(海外労働管理局)」を通じた推薦者表の交付申請が必須です。

ベトナム人材を特定技能で求人・雇用する際のコスト

教育や職業訓練の負担は受け入れ企業側に発生

日本語教育や職業訓練は、ベトナム人材が来日前に実施されますが、その費用は多くの場合、求人企業や人材紹介会社が負担することになります。人材本人に費用を請求することは法律で禁止されているため、全額を企業側が準備する必要があります。

渡航費やビザ関連の手続きに関する費用

航空券代、保険、ビザ申請に関する費用なども含め、渡航に関わる一切の費用は基本的に日本側の負担です。また、在留資格認定証明書の申請や更新手続きなど、煩雑な事務手続きを外注する場合、15~25万円程度のコストがかかるとされています。

認定送り出し機関への手数料も必要

送り出し機関に支払う手数料は、特定技能人材の給与の1〜3か月分が相場とされています。金額は人材のスキルや雇用条件によって変動するため、採用前に明確にしておくことが大切です。

特定技能ベトナム人を採用する2つのルートとその違い

海外から直接採用する場合の流れと手続き

ベトナムからの直接採用では、まず現地の送り出し機関と連携し、特定技能試験や日本語試験に合格した人材を対象に求人を行います。技能実習を終了した実習生の再雇用もよく見られる形です。

特定技能試験合格者の一覧はベトナム政府から提供されており、求人企業はその中から採用候補者を選定します。採用後には、在留資格申請、推薦者表交付申請、ビザ取得といった流れを経て、日本での雇用が可能となります。

すでに日本に在留しているベトナム人の採用

技能実習修了者や留学生など、すでに日本に住んでいるベトナム人を雇用する場合、送り出し機関を経由する必要がなく、手続きが簡略化されます。
とくに留学生は語学力が高く、日本の職場環境にも適応しているため、就業後のミスマッチも起きにくい点が利点です。

雇用後に必要な手続きと支援内容について

雇用契約と支援計画の策定が必要不可欠

雇用契約を締結した後は、特定技能制度で定められた「事前ガイダンス」「健康診断」の実施が求められます。これらは登録支援機関へ外注することも可能で、支援計画の策定を通じて、来日前から生活準備を整えることが重要です。

在留資格申請から就労開始までの流れ

DOLAB推薦者表を取得した後、出入国在留管理局に「在留資格認定証明書」の申請を行い、発給された書類をベトナムの在外公館に提出してビザを申請します。ビザが発給されると、晴れて日本での就労がスタートします。

就労開始前の生活準備と受け入れ支援

就労前には、生活オリエンテーションを行い、住居の確保、銀行口座の開設、携帯電話の契約など、就労環境を整えるための支援が求められます。これらの支援を通じて、ベトナム人材が安心して働ける体制を構築することが、長期雇用の成功につながります。

まとめ:制度理解と準備がベトナム人材の雇用成功の鍵

特定技能制度を活用してベトナム人材を雇用するには、制度の理解と正確な手続きが不可欠です。送り出し機関との連携、費用の見積もり、支援計画の策定など、事前準備をしっかり行うことで、優秀な外国人材をスムーズに受け入れることができます。

求人活動の成功には、法令遵守だけでなく、文化の違いを尊重した受け入れ体制の整備も重要です。専門家や登録支援機関の力を借りながら、戦力となるベトナム人材の安定した雇用を目指しましょう。