2019年12月末時点での「特定技能1号」在留外国人数は1,621人にとどまり、制度開始から9か月での目標達成率は約0.47%となっています。受け入れ人数の国別ではベトナムが突出しており、分野別では飲食料品製造業が最多です。制度の本格的な定着と求人・雇用の拡大には、今後の運用強化が求められます。
特定技能1号の受け入れ人数と現状【2019年12月時点】
2019年4月に導入された「特定技能」制度は、人手不足が深刻な産業分野に即戦力となる外国人材を受け入れることを目的としています。出入国在留管理庁によると、制度導入から9か月が経過した2019年12月末時点における「特定技能1号」の在留外国人数は1,621人でした。
5年間での受け入れ目標と進捗
特定技能制度では、初期の5年間に34万5,150人を受け入れる目標が設定されています。しかし、制度開始から9か月での受け入れは目標のわずか0.47%に過ぎず、制度の立ち上がり段階でさまざまな課題があることが浮き彫りになっています。
国別に見る特定技能1号の受け入れ状況
ベトナムからの受け入れが最多
在留資格「特定技能1号」での受け入れは、国別ではベトナムが圧倒的多数を占めています。以下は主な国の受け入れ人数です。
- ベトナム:901人
- インドネシア:189人
- フィリピン:111人
- ミャンマー:中国:各100人
- カンボジア:94人
- タイ:79人
- ネパール:18人
- その他:29人
全体の半数以上をベトナム出身者が占めており、今後の求人や雇用戦略でも、ベトナムとの連携強化がカギになると考えられます。
分野別に見る特定技能1号の雇用状況
飲食料品製造業が最多の受け入れ分野に
特定技能1号の制度では、14の特定産業分野が設定されています。2019年末時点では、以下のような分野ごとの受け入れ実績が報告されています。
- 飲食料品製造業:557人
- 農業:292人
- 産業機械製造業:198人
- 素形材産業:193人
- 建設:107人
- 外食業:100人
- 介護:19人
- 自動車整備:10人
- ビルクリーニング:13人
- 宿泊:15人
- 電気・電子情報関連産業:38人
- 漁業:21人
- 造船・船用工業:58人
- 航空業:0人
特に飲食料品製造業が全体の約34%を占めており、この分野での求人ニーズが高いことがうかがえます。一方で、介護や宿泊といった他の人手不足分野での受け入れは依然として低調にとどまっています。
地域別の受け入れ実績と求人の広がり
特定地域での集中が見られる
地域別の受け入れ状況では、以下の3府県が100人以上の受け入れを記録しています。
- 愛知県:127人
- 埼玉県:112人
- 大阪府:103人
これらの地域では産業集積や求人の集中が影響していると見られ、他地域との格差も今後の課題です。制度の円滑な運用には、地方自治体との連携強化や支援体制の整備が必要とされます。
今後の課題と制度運用の展望
特定技能制度の初年度は、制度設計や送り出し国との調整、受け入れ企業の準備状況などにより、本格的な受け入れが進まなかったことが数字に表れています。
今後は以下の点が重要な焦点となります。
- 求人・雇用情報の見える化:外国人求職者に向けた求人情報の整備と公開
- 試験制度の円滑化:分野別の技能評価試験と日本語試験の実施体制の強化
- 受け入れ企業の支援体制:外国人労働者の生活・労働支援の質の向上
- 送り出し国との協力強化:手続きの簡素化と情報共有の強化
制度が本格的に運用されることで、特定技能による雇用拡大が現実のものとなることが期待されます。
まとめ
2019年末時点での特定技能1号の在留外国人数は1,621人と、受け入れ目標に対して非常に低い水準にとどまりました。国別ではベトナムが最多で、分野では飲食料品製造業への偏りが目立ちます。
今後の制度運用では、求人の拡充、雇用体制の強化、試験制度の整備など、多角的な対応が求められます。特定技能制度が真に機能するためには、企業・自治体・国際社会の連携が欠かせません。
