外国人を受け入れる企業は、特定技能の協議会に分野ごとで加入することが義務付けられています。この記事では、協議会の目的や役割、入会方法、必要書類、費用、入会のタイミングなど、求人・雇用に関わる企業が押さえるべきポイントを詳しく解説します。
特定技能制度と協議会の役割
分野別協議会の目的と活動内容
特定技能の協議会は、特定技能外国人の受け入れが行われる14分野ごとに設置されており、制度の円滑な運用を支えるための役割を担っています。各協議会は、管轄する省庁の指導のもと、次のような活動を行っています。
- 特定技能制度の情報提供や優良事例の周知
- 法令遵守の啓発活動
- 労働市場の動向や就業構造の分析
- 地域ごとの人手不足状況の把握と対応策の検討
- 都市部への受け入れ集中を避けるための調整
- 受け入れの適正化に必要な情報共有
協議会は一般にはあまり知られていませんが、制度の根幹を支える重要な存在です。
協議会への加入は義務
受け入れ企業の義務と注意点
特定技能外国人を雇用する企業は、原則として該当する分野の協議会に加入する必要があります。これは受け入れにおける要件のひとつであり、協議会に加入していないと在留資格の申請が認められません。
一部の分野では、事業所単位での加入が求められる場合もあります。また、建設分野は特に独自の仕組みとなっており、協議会の正会員または賛助会員としての登録と年会費の支払いが必要になります。
2人目以降の受け入れと退会のルール
一度協議会に加入すれば、同じ分野での2人目以降の受け入れ時に再加入は不要です。ただし、以下の場合には対応が必要です。
- 特定技能外国人をすべて雇用終了した場合:退会申請が必要
- 受け入れ人数や内容が変更された場合:受け入れ計画の変更届出が必要
受け入れ状況に応じて適切な手続きを行うことが求められます。
入会申請と在留資格審査の関係
加入審査が要件確認の場になる
協議会の入会審査では、企業が特定技能制度の要件を満たしているかが確認されます。審査項目には、次のような内容が含まれます。
- 対象分野の事業を営んでいるか(日本標準産業分類などに基づく)
- 外国人が就く業務が特定技能で認められた範囲に含まれているか
そのため、協議会への加入手続きは、在留資格の申請前の事前チェックと考えるとよいでしょう。
加入のタイミングと最新ルール
在留資格申請前に加入が必須
以前は受け入れ後4カ月以内の加入でも認められていましたが、2024年6月15日以降のルールでは、在留資格申請の前に協議会に加入し、加入証明書を提出することが義務化されました。
この変更により、採用が決まった段階で速やかに協議会への加入申請を始めることが重要になりました。特に初めて申請する企業では、書類不備や審査に時間がかかるケースもあるため、早めの準備が必要です。
加入費用について
建設分野のみ有料、その他は原則無料
協議会への加入費用は分野によって異なります。多くの分野では入会費・年会費ともに不要ですが、建設分野は以下の通り費用が発生します。
- 正会員(団体に所属):年会費36万円
- 賛助会員:年会費24万円
- 受け入れ負担金:特定技能外国人1人あたり月12,500円(建設分野)
企業規模や雇用人数によって費用負担が変動するため、建設業においてはコスト管理にも注意が必要です。
分野別協議会の一覧と担当省庁
各分野の協議会は、以下のように分かれています(地名や固有名称は割愛)。
| 分野 | 担当省庁 |
|---|---|
| 介護、ビルクリーニング | 厚生労働省 |
| 製造業、宿泊業、航空、自動車整備、建設、造船 | 国土交通省、経済産業省 |
| 農業、漁業、飲食料品製造、外食業 | 農林水産省 |
企業は自社の業種に対応する協議会を確認し、所管省庁が求める書類や申請手続きを行う必要があります。
協議会への入会方法と必要書類(分野別)
各協議会では、加入に必要な書類や申請方法が異なります。多くはオンライン申請ですが、郵送やメールでの申請を求める分野もあります。
たとえば以下のような書類が必要です。
- 雇用契約書
- 特定技能外国人支援計画書
- 在留カードの写し
- 建設業許可証(建設分野)
- 製造品の説明書(製造業)
詳細は、各分野の協議会または所管官庁の公式情報を参照してください。
加入証明書の取得と注意点
在留資格の申請には「協議会加入証明書」が必要です。協議会によっては証明書の代わりに構成員名簿の掲載を証明とする場合もありますが、いずれも登録・審査に時間がかかる可能性があります。
書類不備などにより申請が差し戻されることもあるため、余裕を持ったスケジュールで対応しましょう。
まとめ
特定技能制度を利用して外国人を雇用する企業は、必ず該当分野の協議会に加入する必要があります。協議会への加入は、在留資格の取得に直結する重要な手続きです。
特に建設分野は費用面や申請方法で他分野と異なるため、早めに情報収集と準備を行いましょう。企業の求人活動や雇用計画に支障を出さないためにも、制度の最新ルールを正確に把握しておくことが求められます。
