2022年の特定技能制度の改正と外国人雇用の最新動向まとめ

2022年度の「特定技能」に関する主要な動向を総括すると、外国人材の受け入れ制度に大きな変化が見られた一年でした。在留資格認定証明書の電子化や申請書類の簡素化といった行政手続きの改善に加え、制度の見直しや上限数の調整、外国人労働者向け支援の拡充など、求人・雇用現場に直結する施策が多く進められました。企業や支援機関は、制度変更に柔軟に対応しつつ、安定的な外国人雇用の実現に向けて取り組むことが求められています。

特定技能制度の見直しが加速した背景と今後の方向性

特定技能制度は2019年に創設されて以降、急速に実務レベルでの定着が進みました。2022年には技能実習制度との役割の重複や人権問題の指摘などを背景に、制度自体のあり方が再評価される年となりました。

技能実習制度から特定技能制度への一本化が検討されている理由

技能実習制度は本来「人材育成」「国際貢献」を目的とした制度ですが、実態としては労働力確保の手段として利用される場面が多く、過剰な費用負担や転職制限などが問題視されてきました。そのため、実務能力を有する外国人を即戦力として受け入れる「特定技能」制度へ移行すべきだという意見が有識者会議などで強く挙がっています。

高度外国人材の受け入れを加速させる制度改正が進展

高度な専門性を持つ外国人材の呼び込みを狙った新たな受け入れ制度が、2022年に本格的に始動しました。これは特定技能とは異なる枠組みながら、外国人雇用全体の流れを読み解く上で重要な要素です。

永住権取得要件の大幅な緩和で優秀人材の獲得を促進

新制度では、修士号取得者や高年収の技術者、経営者に対して永住権取得までの期間を1年に短縮。研究者やエンジニアの定着が期待されています。これは、企業が長期的な戦力として外国人材を雇用する上で大きなメリットとなります。

特定技能制度に関する行政手続きの電子化と簡素化の進展

在留資格認定証明書の電子メール化で申請の手間を軽減

2023年3月から、在留資格認定証明書を電子メールで受け取ることが可能となり、郵送に伴う時間とコストの削減が実現しました。海外在住の外国人への即時送信も可能になり、スピーディな雇用手続きが可能です。

書類提出の負担を軽減する制度が適正な受け入れ機関に適用

出入国在留管理庁は、一定の条件を満たす企業について、在留資格「特定技能1号・2号」の申請に必要な提出書類の簡略化を認めています。これにより、過去に法令違反のない上場企業や一定の規模を有する法人などは、10項目におよぶ提出書類の省略が可能となりました。

特定技能外国人の業務範囲と分野の拡大が進行中

2022年は、特定技能の対象分野や業務内容に関する見直しが相次ぎました。業務の柔軟性が高まり、より多様な人材の雇用が現実的となっています。

製造・建設分野の業務区分が再編され柔軟な雇用が可能に

製造分野では19に分かれていた業務区分が3区分に統合され、特定技能外国人が従事できる業務範囲が広がりました。建設分野でも同様に業務統合が進められ、実際の現場ニーズに即した雇用がしやすくなっています。

自動車整備分野で板金塗装が主業務として正式に追加

板金塗装は従来、関連業務とされていましたが、制度改正により主業務に認定され、今後は外国人がこの業務に従事しやすくなります。これは専門性の高い技能人材を雇用したい整備業界にとって大きな前進です。

外国人労働者数の増加と特定技能の急拡大

特定技能外国人が半年で76%増加し制度の拡充が顕著に

2022年6月末の時点で特定技能外国人は87,472人に達し、半年前と比べて約76%の急増を記録しました。特に、飲食料品製造業、製造業、農業の分野での需要が高まっており、雇用市場において即戦力として期待されています。

外国人労働者全体でも過去最高を更新し求人需要が加速

厚生労働省によると、外国人労働者数は2022年末時点で約182万人を突破。前年比約9.5万人の増加となり、企業の人手不足を背景に外国人の求人・採用活動が活発化しています。今後もこの傾向は継続する見込みです。

外国人支援と地域での定着促進の取り組みが拡大

やさしい日本語ガイドラインの公開でコミュニケーション支援が強化

出入国在留管理庁が発表した「やさしい日本語ガイドライン」は、実務者や自治体による外国人との会話を円滑にするための具体的な指針を提示しており、多言語支援が難しい現場でも活用が進んでいます。

地方自治体による方言マニュアルの提供で現場定着を支援

介護現場などで使用される地域の方言を解説したマニュアルが複数の自治体から公開され、外国人職員が地域住民との円滑なやりとりを実現できるよう支援体制が整いつつあります。

入国制限の緩和と在留資格の通常運用への移行

2022年は水際対策の大幅な緩和が実施され、外国人の入国がしやすくなった年でもあります。観光・ビジネス目的だけでなく、雇用を前提とした来日も円滑になりつつあります。

入国制限の段階的な緩和で採用活動が再活性化

ワクチン接種者を対象に陰性証明の免除措置が取られ、入国者数の上限も引き上げられました。これにより企業が採用を控えていた海外人材の受け入れが再開され、求人活動が加速しています。

特例的な在留措置の終了で通常運用に戻る動きが強まる

新型コロナによる帰国困難者向けの特例措置は終了し、今後は通常の在留資格の範囲内での対応が求められるようになります。受け入れ企業も在留管理や更新手続きに対する体制の再確認が必要です。

求人と雇用の現場で求められる今後の対応とは

2022年度の制度改革を受けて、求人や外国人雇用の現場では以下のような対応が重要になります。

  • 制度改正の最新情報に即応し、社内体制を整備すること
  • 特定技能人材の受け入れに関する実務スキルを高めること
  • 多文化共生を見据えた職場環境づくりを進めること

特定技能制度の整備と拡大は、日本の人材不足を補うための大きな鍵となっています。今後も制度改正の動向に注意を払いながら、安定した外国人雇用を実現することが求められます。