特定技能「ビルクリーニング」の仕事内容と採用方法を徹底解説

日本では深刻な人手不足を背景に、2019年に外国人労働者の受け入れを目的とした在留資格「特定技能」が創設されました。本記事では、特定技能の対象分野のひとつである「ビルクリーニング」に焦点を当て、外国人材の採用方法、求められる技能、就ける業務範囲、ベッドメイクの可否などについて詳しく解説します。

ビルクリーニング業界の人手不足と特定技能制度の導入背景

求人倍率の上昇と高齢化で深刻化する人材難

ビルクリーニング業界では、全国的に求人倍率が高く、十分な人員を確保できない状態が続いています。特に、清掃業務従事者の約4割が65歳以上というデータからも分かるように、業界全体の高齢化が進んでおり、若年層の新規雇用が進まないことが大きな課題となっています。

このような背景から、即戦力となる外国人労働者の活用を目的に、特定技能制度が導入されました。

特定技能「ビルクリーニング」の概要と意義

特定技能は、特定の業種において一定の専門性と日本語能力を持った外国人に在留資格を認め、企業が雇用できる制度です。現在16の産業分野が対象とされており、ビルクリーニング分野もその一つです。特定技能「ビルクリーニング」では、特定技能1号を取得した外国人が最長5年間の就労が可能となります。

特定技能「ビルクリーニング」で従事できる業務範囲

清掃業務に求められる判断力と技術

ビルクリーニングの主な業務は、事務所や商業施設、学校など、多くの人が利用する建築物内の清掃です。現場では、汚れの種類や場所の特性を見極め、適切な清掃方法や洗剤、器具を選び、自らの判断で作業を進める能力が求められます。

ベッドメイク業務にも対応できる柔軟性

特定技能「ビルクリーニング」の資格では、ホテルなど宿泊施設のベッドメイク業務にも一部従事可能とされています。宿泊分野の特定技能資格ではベッドメイクのみの業務はできませんが、ビルクリーニング分野であれば対応可能なため、求人の幅も広がります。

特定技能1号を取得するための具体的な条件

評価試験に合格する方法

外国人がビルクリーニング分野で特定技能1号を取得するには、次の2つの試験に合格する必要があります。

技能試験の内容と開催地域

ビルクリーニング分野の技能試験は、「判断試験」と「作業試験」で構成され、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会によって実施されています。試験会場は日本国内の主要都市やアジア各国に設置され、外国人材が受験しやすい環境が整えられています。

日本語能力試験の合格要件

日本語の試験は、「日本語能力試験(JLPT)」N4以上、もしくは「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」に合格する必要があります。どちらも日本での就労や日常生活に必要な語彙力・会話力を測るもので、採用後の現場対応力に直結します。

技能実習2号からの移行による資格取得

もう一つの方法は、技能実習2号を修了して特定技能1号に移行するルートです。この場合、技能評価試験は免除され、日本語試験のみで資格取得が可能となるため、実習生を積極的に雇用してきた企業にとっては導入しやすい制度です。

特定技能2号の取得と長期的な雇用戦略

特定技能2号で可能になる長期就労と家族帯同

特定技能2号は、より高度な技能を持つ外国人材に与えられる資格で、在留期間に制限がなく、家族帯同も認められています。長期的な人材確保を見据えた雇用戦略として、2号の取得支援に力を入れる企業も増えています。

2号取得に必要な試験と実務経験

取得には、ビルクリーニング分野の特定技能2号評価試験、または技能検定1級の合格が必要です。さらに、現場管理業務の2年以上の実務経験を証明する書類も求められるため、企業と受験者の連携が重要になります。

特定技能「ビルクリーニング」の雇用条件と採用体制の整備

雇用可能な事業者の要件

外国人を特定技能で雇用するには、「特定技能所属機関」として登録される必要があります。これは以下の条件を満たす事業者に限られます。

  • 建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業として登録されていること
  • ビルクリーニング分野特定技能協議会に加入していること(2024年6月15日以降必須)

外国人支援体制の整備も義務

受け入れ企業には、住居の確保や生活支援などの義務が課されています。これらの支援業務は「登録支援機関」に委託することも可能で、特定技能制度の円滑な運用が求められます。

日本語能力と技能評価試験の実施状況を把握する

日本語能力試験(JLPT)とJFT-Basicの違い

JLPTは年2回の実施で全国統一の認定制度ですが、JFT-Basicはほぼ毎日実施されており、受験機会が多いのが特徴です。求人スケジュールや雇用計画に応じて、どちらを受験するか検討する必要があります。

技能評価試験の合格率と傾向

技能評価試験は、近年合格率が約70〜80%と比較的高めで、事前学習や実技の準備を行えば合格可能性は十分にあります。海外でも試験が実施されており、採用前から技能レベルを確認できるのが強みです。

まとめ

ビルクリーニング業界において、人材不足と高齢化は加速しています。ビル内の衛生管理は、利用者の健康に関わる重要な問題です。

今後も、ビルの建設ラッシュが続くと予想される日本において、特定技能ビルクリーニング分野の果たす役割はますます大きくなると見込まれています。