特定技能と技人国の就労ビザ申請と雇用のポイント徹底解説

日本で外国人を合法的に雇用するには、該当する在留資格、いわゆる「就労ビザ」の取得が不可欠です。中でも「特定技能」や「技術・人文知識・国際業務(技人国)」は、実務で特に利用されるビザ制度として多くの企業が関心を持っています。

本記事では、それぞれの在留資格の特徴、取得要件、申請手続き、求人方法、雇用時の注意点、不許可となるケースまで詳しく解説します。外国人材の受け入れを検討している企業が知っておくべき基礎知識と実務上のポイントを網羅しています。

外国人雇用に必要な就労ビザとは何かを正しく理解する

就労ビザと在留資格の意味と違い

「就労ビザ」とは正式名称ではなく、外国人が日本で報酬を得る活動を行うための在留資格の総称です。
在留資格は法務大臣により付与されるもので、活動の内容に応じて種類が分かれています。一方「ビザ」は、日本への入国を許可する査証のことであり、在留資格とは区別されます。

日本で働ける代表的な就労ビザの種類

技術・人文知識・国際業務(技人国)の特徴

技術分野に該当する職種

  • 情報通信・エンジニアリング
  • 建築設計・生産管理・技術開発
  • 自然科学系の専門職

人文知識分野に該当する職種

  • 経理・法務・マーケティング
  • 営業職・広報・編集・翻訳

国際業務分野に該当する職種

  • 通訳・貿易業務
  • 外国語を活かした顧客対応や文化関連業務

この在留資格は学歴や職歴と職務内容との関連性が求められ、単純労働は認められていません。

特定技能ビザの制度と分野ごとの雇用要件

特定技能1号のポイント

人手不足が深刻な産業分野において、即戦力となる外国人を雇用するための制度です。対象分野は介護、外食、宿泊、建設など現在16分野が認められています。

  • 在留期間は最長5年(更新可)
  • 技能評価試験および日本語試験に合格が必要
  • 派遣労働が認められる分野もある(例:農業、漁業)

特定技能2号のポイント

特定技能1号から移行可能で、より高度な熟練技能を有する外国人が対象です。

  • 永住権の取得を視野に入れられる
  • 家族の帯同が可能
  • 在留期間の更新に上限なし

就労ビザ申請の基本的な流れと手続き内容

新規取得:在留資格認定証明書の交付手続き

外国人が海外から新たに来日し就労する場合、企業側が申請人となり、地方出入国在留管理局で「在留資格認定証明書」を申請します。その後、本人がビザを取得し、日本に入国するという流れです。

必要な書類(一例)

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 企業の概要説明資料
  • 労働条件通知書(雇用契約書)
  • 外国人の学歴・職歴を証明する書類

在留資格変更:在日外国人のビザ切り替え

すでに日本に在留している外国人が在留目的を変える際の手続きです。例として、留学生が卒業後に就職し「技人国」に変更するケースが一般的です。

外国人の雇用前に確認すべき実務上のポイント

賃金水準の設定は慎重に行う

外国人だからといって安い賃金を設定すると、入管の審査で不許可となる可能性があります。日本人従業員と同等以上の給与が必要です。

雇用契約の明示と就労内容の整理

採用後は、労働契約書や業務内容を明確にし、在留資格で許可された業務以外に従事させないように注意が必要です。

外国人材の求人方法と人材確保の選択肢

求人掲載を通じた採用方法

  • 求人サイトや自社HPによる直接募集
  • 公共職業安定所(ハローワーク)の活用

マッチングイベントや紹介会社の利用

入管主催のマッチングイベントに参加することで、特定技能人材との出会いの機会が広がります。また、人材紹介会社を利用すれば、面談や書類の準備、在留資格の相談まで一括サポートを受けることが可能です。

就労ビザの更新・転職・退職時の実務対応

更新手続きと審査期間

更新は在留期間の満了3カ月前から可能です。特定技能・技人国いずれも、更新審査には1〜3カ月程度かかるため、余裕を持って進める必要があります。

審査中に在留期限を迎えた場合

申請中であれば、最大2カ月間の特例期間内は合法的に在留可能です。

転職時の留意点

職種や企業が変わる場合、「就労資格証明書」の取得をおすすめします。これにより、更新申請時の審査がスムーズになり、リスクを軽減できます。

退職後の届出義務

  • 企業側は「中長期在留者の受入れに関する届出」を提出
  • 外国人本人は「所属機関に関する届出」を14日以内に行う必要あり

就労ビザ申請が不許可となる典型的なケース

職務内容と学歴・経歴の不一致

「技術・人文知識・国際業務」では、業務と学歴または実務経験の関連性が厳しく審査されます。不一致と判断されれば不許可となります。

資格外活動の違反

留学生などが許可された時間(週28時間)を超えてアルバイトをしていた場合、不許可の要因となります。雇用前にきちんと在留カードを確認しましょう。

虚偽申請や書類不備

意図せず誤記があった場合でも、不許可となることがあるため、書類の作成には慎重を期す必要があります。

まとめ

外国人を日本で雇用するには、適切な在留資格の理解と取得が不可欠です。「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」など、業務内容に応じたビザを選び、求人方法や雇用契約の整備、在留資格に関する法的手続きを確実に行うことが重要です。

人材不足の中、外国人雇用は大きな戦力となる反面、法令順守を怠るとリスクも高くなります。企業として安定的な外国人雇用を実現するためには、制度への深い理解と丁寧な実務対応が求められます。