特定技能制度では、外国人を雇用する事業者はさまざまな書類を準備し、所定の入管様式に従って正確な申請を行う必要があります。制度の対象分野は人手不足が深刻な業種に限られ、求人活動を進める企業には手続きの正確さと迅速さが求められます。
本記事では、出入国在留管理庁が定める各種様式の特徴や注意点、申請の際のポイント、支援業務の委託などについて詳しく解説します。
特定技能制度の概要と外国人雇用の意義
特定技能制度は、日本国内での深刻な人手不足を背景に導入された就労資格制度です。制度の主な目的は、一定の技能と日本語能力を持つ外国人を特定分野に受け入れ、即戦力として活用することにあります。特に求人難が顕著な業種では、制度を活用した外国人雇用が広がりを見せています。
特定技能には「1号」と「2号」があり、それぞれ在留期間や支援義務が異なります。1号は通算5年の在留が可能で、支援が義務付けられています。一方、2号は更新制限がなく、定住に近い形での雇用が可能です。
特定技能で受け入れが認められる業種とその背景
特定技能制度の対象となる業種は、労働力不足が特に深刻とされる分野に限定されています。これにより、求人を出しても人材が確保できない業種にとっては、有効な人材確保手段となっています。
現在認められている特定技能の対象分野
- 介護
- 農業・漁業
- 外食業・飲食料品製造業
- ビルクリーニング
- 製造業(素形材、産業機械、電気電子)
- 自動車整備・運送業
- 建設・造船・舶用工業
- 航空・鉄道
- 宿泊
- 林業・木材産業
これらの分野は、外国人材の活用によって雇用の安定化を図ることが目的とされています。
入管様式の基本と最新情報の重要性
出入国在留管理庁が定める手続き様式とは
特定技能外国人を雇用するには、出入国在留管理庁が定める様式に基づき、各種手続きを行う必要があります。申請の種類によって使用する様式が異なり、以下のように分類されます。
- 省令様式(在留資格や登録支援機関に関する申請書類)
- 在留諸申請用様式(契約書、健康診断票、報酬説明書など)
- 届出様式(契約変更や退職時の手続き)
- 多言語翻訳版様式(外国人本人の理解を助けるための様式)
古い様式の使用には要注意
法令や制度改正により、申請様式は更新されることがあります。過去に使用した様式が現在も有効であるとは限らないため、毎回、最新様式を公式サイトで確認し、白紙のフォーマットを使い回さないことが重要です。
省令様式を使用する代表的な申請とその役割
省令様式は、行政手続きの正式な書式であり、すべての申請に共通する基本書類です。
代表的な省令様式
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 在留資格変更許可申請書
- 在留期間更新許可申請書
- 登録支援機関登録申請書
- 登録事項変更届出書
- 手数料納付書
これらは、外国人の在留に直接関わるため、誤記や記載漏れがあると申請が却下される可能性があります。
在留諸申請で必要となる書類とポイント
在留資格の取得や変更を申請する際には、雇用契約の内容や報酬、健康状態などを証明する追加書類が必要です。
雇用契約に関する様式の具体例
- 特定技能雇用契約書
- 雇用条件書
- 報酬説明書
- 技能評価調書
- 健康診断個人票
これらの書類は、特定技能外国人と受け入れ機関の間に適正な雇用関係が成立していることを証明する役割を果たします。
登録支援機関関連の様式とその意義
受け入れ機関が特定技能1号の外国人に必要な支援を自ら行えない場合、登録支援機関に業務を委託することが可能です。
登録支援機関に関する提出様式
- 登録支援機関誓約書
- 支援責任者の承諾書
- 支援実施記録の提出様式
- 中長期在留者リスト
これらの書類により、登録支援機関としての適格性や支援実績が確認されます。
定期・随時届出の役割と提出時期
定期届出の概要とスケジュール管理
受け入れ機関は、年4回の定期届出を行う義務があります。届出期間は以下のとおりです:
- 第1四半期:4月1日~15日
- 第2四半期:7月1日~15日
- 第3四半期:10月1日~15日
- 第4四半期:1月1日~15日
届出内容には、外国人の雇用状況や支援実施状況が含まれます。
随時届出の主な提出事由
以下のような変化があった場合には、届出が必要です。
- 雇用条件の変更
- 雇用契約の終了・新規締結
- 支援計画の変更
- 支援業務の委託先変更
これらの届出は、雇用状況の適切な管理と透明性の確保を目的としています。
外国人本人の理解を促す多言語様式の活用
多くの申請書類は、日本語以外の言語でも提供されています。これは、外国人本人が書類の内容を正確に理解し、署名することが求められるためです。
提供されている10か国語
英語・中国語・ベトナム語・インドネシア語・タガログ語・ミャンマー語・タイ語・カンボジア語・モンゴル語・ネパール語
この多言語対応により、外国人とのコミュニケーションの正確性が保たれ、雇用の透明性も向上します。
日本年金機構の書類にも注意が必要
雇用する外国人の社会保険関連手続きには、日本年金機構が定めた様式の提出が必要です。これは、外国人労働者の福利厚生を適正に管理するうえで重要です。
主な申請様式
- 年金加入記録交付申請書(本人用)
- 社会保険料納付記録交付申請書(適用事業所用)
- 適用外事業所用の納付記録交付申請書
これらの書類は、在留資格の審査資料としても使用される場合があります。
特定技能手続きで注意すべき3つのポイント
参考様式の使用で記載漏れを防止
任意様式でも申請可能な場合がありますが、参考様式を使用することで記載漏れや形式ミスを防げます。特に在留資格変更許可など重要な手続きでは、慎重な書類作成が求められます。
手続きには十分な期間を確保する
手続きの処理には1〜2か月以上かかることが一般的です。在留期間が切れる前に余裕を持って準備を進めることが必要です。
支援業務の委託による負担軽減
登録支援機関に支援業務を委託することで、雇用企業側の負担が軽減されます。複雑な支援計画の策定や届出作業もスムーズに進められます。
まとめ
特定技能制度に基づく外国人の雇用を実現するには、最新の入管様式を使用し、制度に即した正確な手続きを行うことが不可欠です。
届出の時期や内容に注意しながら、適切な支援体制を整えることが、円滑な人材確保と雇用継続の鍵となります。複雑な手続きに不安がある場合は、登録支援機関の活用も検討するとよいでしょう。
