2024年12月末の時点で、特定技能制度による在留外国人数は28万人を超え、政府が掲げた受け入れ目標に着実に近づいています。分野別では飲食料品製造業が最も多く、国別ではベトナムが依然として最多です。
地域別に見ると、製造業や介護業の盛んな都道府県で特定技能人材の雇用が進んでおり、外国人労働者の活躍の場が全国に広がっています。今後の制度拡充と受け入れ体制の整備が一層重要になります。
特定技能制度における外国人受け入れの現状
日本政府は深刻な人手不足への対応策として、2019年に「特定技能制度」を創設しました。制度開始当初、12の特定分野で最大34万5150人の外国人を5年間で受け入れる計画を掲げていました。2024年12月末時点での在留外国人数は284,466人に達し、制度の進展が確認されています。
特定技能外国人の雇用は、主に現場で即戦力として求められる分野で進められており、各企業の求人活動にも大きな影響を与えています。2024年6月時点から約3万人の増加が見られることからも、引き続き需要が高いことが明らかです。
国別に見る特定技能外国人の構成と変化
ベトナムが最多も、他国とのバランスが変化中
国別データでは、ベトナムからの在留者が133,478人で最も多く、全体の47%を占めています。これは制度開始当初からの傾向であり、送り出し制度の整備や人材供給体制が整っていることが要因とされています。
一方で、インドネシア(53,538人)、フィリピン(28,234人)、ミャンマー(27,348人)といった他のアジア諸国の人数も大きく増加しており、今後はより多国籍な構成へと移行していく可能性があります。
中国やネパールなどの増加も注目される
中国(17,761人)やネパール(7,014人)からの在留外国人も着実に増えており、今後の技能試験制度やビザ取得の簡素化などの動きによって、より幅広い国からの受け入れが加速することが期待されます。
業種別の特定技能外国人受け入れ状況と求人動向
飲食料品製造業が最多で雇用ニーズも高い
分野別では、「飲食料品製造業」が74,538人と最も多く、全体の26%を占めています。食品加工の現場では慢性的な人手不足が続いており、外国人材の雇用が安定的に進んでいることがわかります。
この分野では求人が継続的に発生しており、シフト制や地方工場などの柔軟な労働環境に対応できる人材の確保が求められています。
介護・建設など対人・現場系分野でも増加中
「介護」(44,367人)や「建設」(38,578人)分野も外国人材の受け入れが進んでいます。これらの業種では、現場での即戦力が必要とされるため、技能実習から特定技能への移行者が多く、安定した雇用が進んでいる特徴があります。
特に介護分野では、高齢化の進行とともに今後も需要の増加が見込まれており、求人市場において特定技能人材の確保が喫緊の課題となっています。
外食業・農業分野でも地方を中心に広がる
「外食業」や「農業」の分野でも特定技能外国人の受け入れが拡大しています。外食業は都市部を中心に、農業は地方の高齢化と若年層の担い手不足を背景に、外国人の雇用が進んでいます。
これらの分野では、季節的な繁忙期の波に対応できる柔軟な人材配置が必要とされており、特定技能制度がそのニーズに応えています。
地域別の特定技能外国人受け入れ状況
産業集積地での外国人雇用が活発
都道府県別に見ると、製造業や介護施設が多い地域で特定技能人材の受け入れが進んでいます。最多は22,805人を受け入れている地域で、続いて18,739人、18,558人と大都市圏を中心に高い傾向が見られます。
これらの地域では、すでに外国人労働者の受け入れ基盤が整っており、求人の発信から雇用管理、生活支援までの包括的な支援体制が構築されています。
地方でも雇用創出と人口維持の手段として活用
地方では、農業や建設、介護といった地域に根ざした産業において、特定技能人材の役割が重要性を増しています。人口減少が進む中で、外国人労働者の存在が地域社会の維持にも貢献しており、今後は地域ぐるみの支援体制がより一層求められるでしょう。
特定技能制度の今後の展望と課題
特定技能制度は、日本の労働市場における即戦力人材を確保する制度として一定の成果を上げていますが、制度運用上の課題も依然として存在します。
制度の拡充と多様な人材の受け入れが鍵
今後は、対象業種の見直しや技能評価試験の円滑な実施、多言語対応の充実といった制度面の整備が重要です。また、長期的に日本で働き続ける意思を持つ人材の受け入れや、在留資格の柔軟な運用も検討され始めています。
雇用環境の整備と生活支援の強化が不可欠
雇用の安定と適正な労働条件の確保はもちろん、外国人が安心して日本で暮らし、働ける環境を整備することが、制度の信頼性と持続性を高める上で不可欠です。企業側も、求人の際に制度理解を深め、受け入れ後のフォロー体制を強化することが求められます。
まとめ
2024年12月末時点での特定技能外国人数は28万人を超え、政府の受け入れ目標に確実に近づいています。飲食料品製造業や介護、建設など幅広い分野での求人と雇用が進み、地域を問わず外国人労働者の活躍が広がっています。
今後も多様な国・分野での受け入れが見込まれる中、制度の柔軟な運用と受け入れ体制の強化が、特定技能制度の成功に向けた鍵となります。
