2022年12月末時点での特定技能1号による在留外国人数は約13万人に達し、前年同期比で大幅に増加しています。特に製造業や農業、介護分野での求人が目立ち、ベトナム国籍の労働者が過半数を占めるなど、国籍別でも偏りが見られます。地域的には製造業の盛んな県に集中しており、今後の制度運用と外国人材の定着支援が重要課題となっています。
特定技能1号外国人の在留者数が急増中
出入国在留管理庁の発表によると、2022年12月末時点での特定技能1号の在留外国人数は130,923人に達しました。これは、同年6月末時点の87,471人から約43,000人の増加を示しています。
制度創設当初、政府が掲げた5年間の受け入れ上限である345,150人にはまだ届いていませんが、求人需要の拡大により、増加傾向は今後も続くと予想されます。
ベトナムが最多、国別受け入れ状況に顕著な傾向
特定技能1号における国籍別雇用動向
特定技能1号の在留外国人のうち、最も多い国籍はベトナムで、全体の約59%にあたる77,135人が在留しています。これは他国と比べても圧倒的な数値であり、送り出し制度の整備や日本語教育の進展が一因と考えられます。
次いで多いのはインドネシア(16,327人)、フィリピン(13,214人)、中国(8,888人)などで、これらの国々でも特定技能人材の育成が進んでいます。
特定技能人材の国別増加の背景
これらの国からの人材流入には、次のような要因があります。
- 日本との二国間協定による送り出し制度の整備
- 自国における雇用機会の不足
- 日本での給与水準の高さと生活環境の安定
- 日本語教育機関の充実
こうした背景が、特定技能を通じた外国人雇用を後押ししています。
飲食料品製造業が最多、分野別求人動向に注目
特定技能制度における業種別雇用の実態
特定技能1号での在留者は14分野に分かれますが、その中でも特に多いのが「飲食料品製造業」で、2022年12月時点で42,505人が就労しています。これは全体の約32%にあたり、食品工場などでの求人需要が非常に高いことがわかります。
続いて、「素形材産業・産業機械製造業・電気電子情報関連産業」が27,725人、「農業」が16,459人、「介護」が16,081人と続いています。
外国人雇用が進む業種の特徴
これらの業種に共通するのは、以下のような特徴です。
- 高齢化や人材流出による慢性的な人手不足
- 専門的な知識や技能の育成が比較的可能
- 外国人にとって日本語のハードルが低めの現場が多い
特定技能制度は、こうした業種での人材不足を補う実効的な手段として注目されています。
都道府県別では製造業が集積する地域に集中
地域別の特定技能人材の受け入れ状況
特定技能1号の在留者は、地域的には製造業が盛んな県に集中しています。特に受け入れ人数が多いのは以下の通りです。
- 愛知県:11,553人
- 大阪府:7,809人
- 茨城県:7,426人
- 埼玉県:7,363人
- 千葉県:7,257人
- 神奈川県:6,271人
- 東京都:6,182人
これらの地域では、製造業を中心とした求人が多く、外国人雇用が地域経済を支える重要な役割を果たしています。
地域による受け入れ格差と今後の課題
地方によっては求人需要があっても外国人の定着が難しいケースもあり、行政や企業による支援体制の強化が求められています。特に住居支援、生活指導、日本語教育など、定着支援策の整備が今後の鍵を握るといえるでしょう。
今後の見通しと課題
2022年末時点での特定技能1号の在留者数は、政府目標の約38%に留まっています。今後、さらなる人材確保を図るためには、以下のような対策が重要です。
- 外国人労働者にとって魅力ある労働環境の整備
- 賃金や福利厚生の見直しによる雇用の安定化
- 特定技能2号へのスムーズな移行と対象業種の拡大
- 地域との共生を意識した生活支援とコミュニティ形成
特定技能制度は、単なる労働力確保の手段ではなく、外国人材と日本社会が共に発展していくための制度へと進化していく必要があります。
