特定技能「飲食料品製造業」の外国人雇用ガイド!求人の手続き・要件と注意点を解説

外国人を特定技能「飲食料品製造業」分野で受け入れて雇用するためには、求人活動の前提となる制度の理解と、受け入れ体制の整備が不可欠です。

本記事では、雇用可能な人材の条件や対象業務、企業に課される要件、必要な試験、報酬の取り扱いなど、実務に必要なポイントを網羅的に解説します。外国人材の活用による人手不足対策を進める上での参考にしてください。

特定技能「飲食料品製造業」の制度概要

外国人材の受け入れが進む背景

2019年4月に導入された特定技能制度は、労働力不足が深刻な産業分野に即戦力となる外国人材を受け入れる仕組みです。その中でも「飲食料品製造業」は外食業に次ぐ主要な分野であり、雇用の受け入れ枠も拡大されています。

拡大される受け入れ人数と求人機会の増加

制度当初の5年間で予定されていた受け入れ人数は約3万4000人でしたが、2022年の見直しにより令和6年3月までに8万7200人に増加。その後の5年間には13万9000人の受け入れが見込まれており、今後も求人市場の拡大が期待されています。

特定技能で雇用できる外国人の条件

技能試験または技能実習の修了が前提

外国人が特定技能「飲食料品製造業」で働くためには、以下のいずれかを満たす必要があります。

技能試験に合格した人材

  • 技能測定試験:「飲食料品製造業技能測定試験」に合格
  • 日本語能力:「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」の合格

技能実習の修了者

  • 飲食料品製造業分野における第2号技能実習を修了している者も対象です。

これらの要件を満たした外国人は、企業の求人に応募し、法的に就労可能な在留資格を取得できます。

対象となる業種と外国人が従事可能な業務

幅広い食品製造業で雇用が可能

外国人は、主に飲食料品の製造・加工業務に従事することが認められています。以下の業務が含まれます。

  • 飲食料品の製造・加工(酒類を除く)
  • 安全衛生の管理
  • 原料の調達、納品作業、清掃、施設の維持管理

特定技能で対象となる業種の分類

日本標準産業分類に基づき、以下の業種が対象とされています。

  • 食料品製造業(畜産、水産、野菜加工、冷凍食品、菓子など)
  • 清涼飲料製造業(酒類を除く)
  • 茶・コーヒー製造業
  • 製氷業
  • 菓子小売業(製造小売)
  • パン小売業(製造小売)
  • 豆腐・かまぼこ等加工食品小売業

パンや菓子など一部小売業でも製造を伴う場合は対象に含まれ、幅広い事業者に求人機会があります。

特定技能所属機関としての企業要件

協議会への加入と情報提供義務

特定技能所属機関とは、外国人を直接雇用する企業を指します。飲食料品製造業分野での雇用を行うには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 食品産業特定技能協議会への加入
  • 協議会や農林水産省への情報提供や調査協力
  • 登録支援機関に支援業務を委託する際は、同協議会構成員であること

受け入れ人数の制限はなし

技能実習制度とは異なり、この分野では企業ごとの受け入れ人数制限がありません。一定の体制を整備すれば、企業の人材ニーズに応じて柔軟な雇用が可能です。

雇用形態と外国人の報酬設定の注意点

雇用は必ず直接雇用が基本

特定技能では、派遣雇用は認められておらず、直接雇用が原則です。雇用契約は企業と外国人との間で締結されます。

日本人と同等以上の報酬を保証

外国人に支払う報酬は、日本人労働者と同等以上でなければなりません。報酬額の証明文書を作成し、就労前に本人に説明する義務があります。

報酬設定時の参考基準

  • 自社の賃金規定
  • 同業種・同地域における一般的な水準

能力や経験による差は認められますが、国籍による差別的取り扱いは禁止されています。

特定技能試験の内容と学習のポイント

取得すべき2種類の試験

外国人が就労するためには、以下の2つの試験に合格する必要があります。

  1. 飲食料品製造業技能測定試験
  2. 日本語試験(N4以上)または国際交流基金日本語基礎テスト

技能測定試験の内容詳細

この試験では、以下のような知識・技能が求められます。

  • 食中毒菌や異物混入に関する衛生知識
  • HACCPに基づいた製造工程管理の理解
  • 食品安全・品質管理、労働安全衛生に関する知識

試験方式と実施地域

  • 国内外で実施(日本語または現地語)
  • CBT(コンピューター試験)またはペーパーテスト方式
  • フィリピン、インドネシアなどで国外実施も進行中

試験対策に活用できる学習用テキスト

多言語対応で受験準備を支援

技能試験に備えるため、学習テキストが以下の言語で提供されています。

  • 日本語、英語、中国語、ベトナム語、インドネシア語、ミャンマー語、カンボジア語

テキストの主な構成は次の5章からなります。

  1. 食品安全・品質管理の基礎
  2. 一般衛生管理
  3. 製造工程管理
  4. HACCPの理解
  5. 労働安全衛生

受験資格は、在留資格を有し、試験実施時点で17歳以上であることが条件です。

まとめ

特定技能「飲食料品製造業」分野における外国人の雇用は、深刻な人材不足への有効な解決策として注目されています。しかし、制度を正しく理解し、求人から雇用に至るまで適切なプロセスを踏むことが求められます。

雇用企業は、報酬の適正性、支援体制の整備、協議会への加入など、多くの要件を満たす必要があります。外国人材が安心して長く働ける職場環境を整えることが、企業にとっても安定した雇用の実現につながります。

今後ますます活発になる外国人材の受け入れに向けて、企業側も準備を進めることが重要です。