外国人労働者の受け入れは、人材不足に悩む企業にとって重要な選択肢の一つとなっています。特に「特定技能」制度を活用すれば、即戦力となる外国人材の採用が可能です。本記事では、外国人労働者を雇用できる業種や必要な在留資格、受入れ制度の概要と注意点について詳しく解説します。
外国人労働者の雇用が進む背景
少子高齢化による深刻な人手不足
日本では急速な少子高齢化により労働人口が減少しており、多くの業界で求人難が続いています。この問題に対し、政府は外国人労働者の受け入れを積極的に推進しており、近年その数は増加の一途をたどっています。
厚生労働省の統計によると、2023年時点で日本に在留する外国人労働者数は約204万人を超え、過去最多を記録しました。これは、外国人材が日本の労働市場で確かな存在感を持ち始めていることを示しています。
外国人労働者を雇用するメリット
人手不足の解消と即戦力の確保
外国人労働者を雇用する最大のメリットは、慢性的な人手不足の解消に直結することです。特定技能などの制度を活用すれば、業務に即対応できる人材の採用が可能です。
採用コストの最適化と助成金の活用
外国人材を採用することで、求人活動の対象を広げ、採用までの期間短縮や広告コストの削減が期待できます。さらに、外国人雇用に対しては国や自治体が提供する助成金制度もあるため、企業の負担を軽減することが可能です。
海外展開の足掛かりに
社内に多言語・多文化に対応できる人材を抱えることで、企業の海外展開やインバウンド需要への対応がしやすくなる点も魅力です。
外国人が多く従事する主な業種
外国人労働者が多く従事する業界には以下のような傾向があります。
- 製造業:全体の26.0%
- サービス業(他に分類されないもの):15.4%
- 卸売業・小売業:13.0%
- 建設業・介護・宿泊業などの労働集約型業種
これらの業種は、国内人材の確保が難しいため、外国人材の採用が進んでいます。
主な在留資格とその割合
外国人労働者が取得している在留資格には以下のような分類があります。
- 専門的・技術的分野:31.2%(技術・人文知識・国際業務、特定技能など)
- 身分に基づく在留資格:27.3%(永住者、日本人の配偶者等)
- 技能実習:20.4%
この中で「特定技能」は即戦力となる人材を確保しやすいため、企業側の関心が高まっています。
技能実習制度と対象職種
技能実習制度は、国際貢献を目的とした在留資格で、労働力の補填を目的とした制度ではありません。制度上、以下のような分野での実習が可能です。
- 農業・漁業
- 建設業
- 食品製造業
- 繊維・衣服関連
- 機械・金属加工
- 家具製作・印刷・塗装など
2023年時点で、85職種156作業が技能実習の対象となっています。制度は「企業単独型」と「団体監理型」に分かれており、大半は団体監理型で運用されています。
なお、技能実習制度は今後「育成就労制度」へと段階的に移行する予定です。
特定技能制度の概要と要件
特定技能とは?
「特定技能」は、深刻な人手不足が見込まれる業種で即戦力の外国人を受け入れるための在留資格です。2019年に創設され、技能実習よりも広い範囲での業務が認められています。
取得要件
外国人が特定技能の資格を取得するには、次の要件を満たす必要があります。
- 各業種の技能評価試験に合格
- 日本語能力試験(N4以上など)に合格
また、技能実習2号を良好に修了した場合、試験を受けずに「特定技能1号」へ移行可能です。
特定技能で受け入れ可能な14業種
特定技能制度では、以下の14業種が外国人労働者の受け入れ対象となっています。
- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材産業
- 産業機械製造業
- 電気・電子情報関連産業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
2024年時点では、飲食料品製造業が特定技能の受け入れ数の中で最も多く、次いで工業製品製造業、外食業、介護分野が続いています。
外国人材を雇用する際の注意点
業務内容の確認が必須
特定技能では、各業種ごとに就労可能な業務範囲が明確に定められています。そのため、実際の業務が対象外とならないよう、事前の確認が必要です。
雇用管理体制の整備
外国人材の安定就労を支えるためには、日本語研修や生活支援、ハラスメント対策などの受入れ体制の整備が不可欠です。
まとめ
日本の深刻な人材不足を解消する一手として、外国人労働者の雇用は重要な手段となっています。特に特定技能制度は、即戦力の人材を必要とする企業にとって、柔軟かつ実用的な選択肢といえるでしょう。
雇用にあたっては、制度の概要や各業種ごとの受入れ条件を正しく理解し、自社に合った形での活用を検討することが、持続可能な人材戦略につながります。
導入を考える企業は、最新の制度動向や支援制度の情報を踏まえた上で、計画的な受け入れ体制を整えていくことが求められます。
