特定技能で増加中!インドネシア人労働者と求人動向の背景

近年、日本で働くインドネシア人の数が急増しています。その背景には、特定技能制度の導入や技能実習制度の変化、人手不足に悩む日本企業の求人ニーズの高まりがあります。また、従来よりも中国やベトナムの人材確保が難しくなってきたことも一因です。

特に工業や農業分野での雇用が多く、愛知県や茨城県など産業が集積する地域に多くのインドネシア人労働者が集まっています。一方で、日本の給与水準は国際的に見ると高くないため、インドネシア人労働者にとっては他国の選択肢もあるという現実があります。今後も外国人労働者との良好な関係構築が求められています。

日本で働くインドネシア人が急増している理由

外国人雇用状況とインドネシア人の位置づけ

厚生労働省の発表によれば、日本国内で働く外国人労働者は約166万人にのぼります。その中でインドネシア人労働者は約5万人と、全体の中では小規模ながら、前年比での増加率が非常に高く、近年の注目国となっています。

インドネシア人労働者が多く働いている都道府県としては、愛知県、東京都、茨城県などが挙げられます。これらの地域に共通するのは、工業地帯や農業が盛んな点であり、機械系エンジニア、製造業、農業・漁業分野での求人ニーズが高いことが背景にあります。

特定技能制度と技能実習制度の変化

1993年に始まった技能実習制度は、当初は「国際貢献」の名目で導入され、日本の技術を海外に伝えるという趣旨がありました。しかし、その後は日本の労働力不足の補填手段としての役割が強まり、制度の運用には多くの課題が生じてきました。

このような背景のもと、2019年に導入されたのが「特定技能」という新しい在留資格です。これは、人手不足が深刻な14業種に対して、一定の日本語能力と技能試験をクリアした外国人労働者を受け入れる制度で、より実践的な労働力確保を目的としています。

インドネシア人はこの特定技能の枠組みにおいても注目されており、農業、建設、介護などの業種での雇用が増加しています。

求人競争の激化とインドネシアの位置づけ

ベトナム・中国からインドネシアへのシフト

従来、日本で働く外国人といえば、ベトナム人や中国人が大多数を占めていました。しかし、近年ではこれらの国における国内賃金の上昇や、日本での人材確保競争の激化により、採用が困難になってきています。

そのため、多くの日本企業が新たな送り出し国としてインドネシアに注目するようになっています。現地の送り出し機関では、日本語教育を施し、日本の求人ニーズに合致した人材を育成しており、企業側の需要とインドネシア側の供給がマッチしているのが現状です。

日本の給与水準と国際比較

インドネシア人労働者の多くは、より高い収入を求めて海外での就労を希望しています。しかし、日本の給与水準は中東やヨーロッパ諸国と比較すると高いとは言えません。

そのため、インドネシア人にとって日本は必ずしも最も魅力的な就労先ではなく、ドイツ、ポーランド、サウジアラビアなどに向かうケースも少なくありません。日本の雇用環境や待遇面の改善も今後の課題となります。

インドネシア人労働者の特徴と企業が理解すべき点

宗教的背景と生活習慣の理解

インドネシアはイスラム教徒が多数を占める国であり、職場でも宗教的配慮が求められることがあります。例えば、礼拝の時間確保や豚肉を含む食事への対応など、文化的・宗教的な配慮が企業側に求められます。

このような背景を理解したうえで、雇用主側が柔軟に対応することが、長期的な雇用関係の構築につながります。

コミュニケーションと信頼関係の構築

インドネシア人労働者は、明るく社交的な性格の人が多いとされ、日本人の職場文化にも比較的なじみやすい傾向があります。ただし、言語や価値観の違いによる誤解が起きる可能性もあるため、職場での丁寧なコミュニケーションが重要です。

異文化を尊重し、互いに歩み寄る姿勢が、日本企業に求められる素養の一つです。

今後の雇用に向けた課題と展望

外国人労働者との共生社会づくり

今後、日本の労働人口はさらに減少していくことが予測されています。そのため、外国人労働者の受け入れは不可欠な要素です。単なる労働力としてではなく、共に社会を築くパートナーとしての意識が求められています。

法制度と職場環境の整備

適正な労働環境の整備や、日本語教育の支援、キャリアパスの明確化など、外国人労働者が安心して働ける環境づくりが今後の課題です。これにより、継続的かつ安定した雇用が実現し、企業にとっても持続可能な人材確保につながります。

まとめ

今後も、日本企業がインドネシア人をはじめとした外国人材の採用に力を入れるためには、制度理解と相互理解の深化が欠かせません。特定技能制度の活用とともに、長期的視点に立った雇用戦略が求められています。