特定技能取得に必要な日本語試験と技能試験の対策方法

在留資格「特定技能」を取得するためには、日本語能力と技能の両方を証明する必要があり、それぞれに対応する試験があります。

本記事では、特定技能1号取得の条件となる日本語能力試験(JLPTまたはJFT-Basic)と14業種に対応した技能試験の内容や難易度、合格基準、試験日程や申込方法、そして受験資格の詳細について解説します。さらに、求人や雇用における特定技能制度の重要性や注意点にも触れ、制度を活用する際のポイントを紹介します。

特定技能制度とはどのような在留資格か

「特定技能」は、2019年に創設された外国人向けの就労系在留資格で、日本の人手不足を補うことを目的としています。これまで就労が制限されていた業種でも、一定の日本語能力と業務スキルを証明すれば、就労と雇用が可能になります。

受け入れ可能な業種は限定されている

特定技能で就労できるのは、政府が人手不足と認めた以下の14業種に限定されています。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材産業
  • 産業機械製造業
  • 電気・電子情報関連産業
  • 建設業
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備業
  • 航空業
  • 宿泊業
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

これらの分野では、外国人材の雇用ニーズが高く、求人も活発に行われています。

特定技能取得に必要な2つの試験の概要

特定技能1号を取得するためには、「日本語試験」と「技能試験」の2つに合格することが原則となっています。両試験は、それぞれ日本での生活と業務遂行に必要な能力を測るために設けられています。

技能実習修了者には試験免除の可能性もある

技能実習2号を良好に修了している場合、同一分野に限っては日本語試験および技能試験の両方が免除されます。

日本語能力試験(JLPT)の内容と合格基準

JLPTの試験構成と出題範囲

日本語能力試験(Japanese-Language Proficiency Test、略称JLPT)は、全世界で実施されている日本語能力評価試験です。特定技能では「N4以上」の合格が求められます。

N4レベルの能力目安

  • 読解:日常生活で使われる語彙・漢字を含む文章の理解
  • 聴解:ややゆっくり話される会話の理解

JLPTは年2回(7月・12月)に国内外で実施されており、受験申込はオンラインで行われます。

JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)の特徴とレベル

JLPTに代わるもう一つの選択肢として、「JFT-Basic(Japan Foundation Test for Basic Japanese)」があります。特定技能の取得には、A2レベル以上の合格が必要です。

JFT-Basicが重視するコミュニケーション能力

JFT-Basicは、就労や日常生活でのコミュニケーション能力を測定することを目的としています。

A2レベルの能力目安

  • 基本的な買い物や仕事に関するやりとりが可能
  • 身近な話題についての短い説明や質問への対応ができる

JFT-BasicはJLPTと違い、年間を通じて複数回実施されており、アジア各国を中心に広く受験が可能です。

特定技能に必要な技能試験の内容と実施分野

各業種ごとに異なる試験内容と基準

技能試験は、特定技能1号の対象である14業種ごとに実施されます。それぞれの業種で求められる業務スキルに応じて出題内容が異なり、実践的な知識や経験が問われます。

試験準備に役立つ情報とリソース

多くの試験では、募集要項やサンプル問題が事前に公開されており、以下のような学習方法が有効です。

  • 過去問題の分析
  • 模擬試験の受験
  • 各業種の教育機関による研修プログラムの活用

試験の実施回数は分野により異なりますが、国内外で年に複数回行われる傾向にあります。

特定技能試験の国内受験資格と注意点

2020年4月以降、試験の国内受験資格が大幅に緩和されました。これにより、日本国内に短期滞在している外国人も試験を受けることが可能となりました。

試験受験が認められる在留資格の範囲

受験が可能な対象者

  • 日本に在留資格を持って滞在している人
  • 短期滞在の在留資格で入国した人

受験ができない対象者

  • 在留資格を持たない不法残留者など

ただし、試験合格=在留資格の自動取得ではありません。試験に合格した後、適切な雇用契約を結び、出入国在留管理庁へ在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請を行い、正式な許可を得る必要があります。

特定技能取得後の求人応募と雇用手続きの流れ

特定技能の在留資格を取得した外国人は、該当分野の企業へ求人応募を行い、雇用契約を締結することが可能です。企業側も、一定の条件を満たすことで外国人の受け入れができます。

雇用にあたっての企業側の条件

  • 日本人と同等以上の報酬を保証すること
  • 日本語での業務指導や生活支援体制を整備していること
  • 雇用後のサポート体制(生活ガイダンス、相談窓口など)を設置していること

これらの条件を満たさない企業には、特定技能人材の受け入れが認められません。

まとめ

在留資格「特定技能」の取得には、日本語能力と職務技能の両方を証明することが求められます。日本語試験にはJLPTとJFT-Basicがあり、いずれかに合格する必要があります。また、業種ごとに実施される技能試験では、現場に即した知識と技術が問われます。

試験合格後も、適切な雇用契約と在留申請手続きを経て、ようやく就労が可能になります。求人情報の収集や受け入れ企業の選定、制度の理解が、安定した就労生活を実現するために欠かせません。常に最新の制度情報を確認しながら、計画的に準備を進めることが重要です。