在留資格「研修」はどんな制度?知っておきたい手続きや上陸基準省令

受け入れ機関は技能を教える体制が整っている

研修生を受け入れる機関は、技能等を教える体制を整える必要があります。

在留資格「研修」は、入管法では「公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動」と規定されています。研修生が技能等を修得する生産機械・設備・講習の実施場所などのほか、指導員は技能についての知識が十分ある経験のある者が担当することが必要になります。

研修実施の研修カリキュラムや研修施設の確保、生活指導などの事務的な体制も必要です。

受け入れ人数枠

在留資格「研修」「技能実習」と異なり、受け入れ機関が研修生を受け入れる人数は規定されていません。

常勤役員以外の従業員が少ない場合、研修生を指導する体制が確立されているか、研修計画に信憑性があるか審査されます。

在留資格「技能実習」の技能実習生の受け入れ人数枠は、企業単独型は上陸基準省令第11号、団体監理型は上陸基準省令第24~29号で規定されています。

受け入れ機関の財務状況

研修事業を継続するには、受け入れ機関の経営状況が安定していることが必要です。

財務状況は、貸借対照表及び損益計算書などの決算資料で、研修を実施できる経済実態があるかどうかで判断されます。

赤字決算の場合でも、財務危機的状況の場合は別として、研修生の受け入れを認められないとは限りません。

民間企業による受け入れ

在留資格「研修」は、民間企業が受け入れる場合、非実務研修を実施する研修に限られ、実務研修を行うことはできません。

「本邦の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動」である在留資格「研修」は、民間企業が受け入れる場合、非実務研修を実施する研修に限られ、実務研修を行うことはできません。企業内の「研修」は、職務上必要な知識や技能を高めることを目的に、職場内・外の実務研修での教育訓練や講習、実習などのことです。

在留資格の「研修」「研修」という言葉ですが、企業の「研修」とは違うので注意が必要です。

公的機関による受け入れ

国や地方公共団体の機関、独立行政法人等の公的機関、その他国際機関等による研修生の受け入れでは、民間企業とは異なり、実務研修が認められています。

公的機関や国際機関等の研修生の受け入れは、上陸基準省令第5号で研修生用の宿泊施設の確保、研修生用の研修施設の確保、生活指導員の設置、労災保険の代替補償措置及び研修施設の安全衛生措置の基準が設けられ、受け入れ能力や受け入れ体制が定められています。研修計画の実務研修比率を3分の2以下に制限することを基本に、非実務研修の割合を確保することで、適正かつ効果的な研修を確保しています。

実務研修の比率を規定する上陸基準省令第9号の要件を満たし、研修計画の全体に占める実務研修の比率を4分の3以下、さらに5分の4以下まで拡大することができます。

研修生が修得する「技能、技術若しくは知識」の種類

研修生が修得する技能、技術や知識は、その技能等を日本の研修活動により修得、本国に帰国後、その修得した技能等を要する業務に従事することが予定されていなければなりません。

目標とする技能等の種類は、研修生本人が身につけている技能等と同程度のものであったり、研修計画の到達目標が低いものは、研修の趣旨に合致せず在留資格該当性を満たすことになりません。

上陸基準省令第1号でも「申請人が修得しようとする技能、技術または知識が同一の作業の反復のみによって修得できるものではないこと」とされ、単純労働に類する職種は在留資格研修に該当しません。これは、外国人研修制度が日本から外国への技術移転が目的であるためです。

研修生(申請人)に係る上陸基準省令

  • 帰国後に日本での研修成果がいかせることが派遣状や復帰予定証明書等で客観的に認められなければなりません。
  • 申請人の本国での職業と無関係な職種の研修は認められません。

申請時に研修生の派遣機関である所属機関等の職員でない場合、公的機関が実施する研修を除き、申請人に係る上陸基準適合性は認められません。

技能等に係る上陸基準省令

  • 同一作業の繰返しのみで修得できる内容の作業は研修とは認められません。
  • 単純作業や非熟練作業が目的の場合、技能等の上陸基準適合性は認められません。
  • 自国での習得が困難な技術を日本で研修を行う必要性がある場合に限られます。

研修生の受け入れは、日本から発展途上国など外国への技術移転を目的とするもので、外国人が修得しようとする技能等が自国において修得可能なら、日本で研修を実施する必要性がないので技能等の上陸基準適合性は認められません。外国特有の技能等を日本で修得することが目的の場合、本来その技能等は日本以外の国で修得されるべきものなので、そのような技能等の修得を目的とする場合は上陸基準適合性は認められません。

自国で修得することが可能な職種であっても、日本で研修をすることによって、より高度でより精密な技能等の修得を目的とする場合は、上陸基準適合性が認められます。

研修指導員に係る上陸基準省令

研修は指導能力のある研修指導員の指導で実施されなければなりません。

研修指導員は、研修生の受け入れ機関の常勤職員で、研修生が修得しようとする技能等について5年以上の経験がある職員です。研修指導員は、指導のほかに研修カリキュラムを管理したり、他の職員に指導方法を指示するなどして研修の指導を行わせることもあります。また、日本語講師等の専門家などの外部講師による指導を実施したり、日本語学校等に通学させることもあります。

5年以上の経験は、同一の機関に限らず、他の機関の経験年数も通算できます。

実務研修が含まれている場合の要件

公的機関や国際機関等の受け入れ機関に限り、実務研修の実施が認められます。これら受け入れ機関の受け入れ能力や受け入れ体制の基準も定めています。

具体的基準には研修生用の宿泊施設の確保、研修施設の確保、生活指導員の配置、労災保険に代わる保障措置及び研修施設に関する安全衛生措置などを定めています。実務研修か非実務研修かの判断は、講義形式か否かで決まらず、研修生の作業が、企業等の商品の生産または有償の役務提供の過程の一部を構成するか否かにより決まります。

研修生には労働関係法令の適用がないため、労災保険への加入に代わり民間の保険等への加入が義務付けられ、研修施設の労働者安全衛生法に規定する安全衛生上の必要な措置に準じた措置を講じることが求められます。

実務研修が認められている4つの類型

非実務研修が基本の在留資格「研修」ですが、次の4つの類型の公的な研修に限り、実務研修を含む研修活動を認めています。

(1)我が国の公的機関国際機関の事業として行われる研修

  • (イ )日本もしくは地方公共団体の機関または独立行政法人が自ら実施する研修
  • (口 ) 独立行政法人国際観光振興機構の事業として行われる研修
  • (ハ ) 独立行政法人国際協力機構の事業として行われる研修
  • (ニ ) 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構石油開発技術センターの事業として行われる研修
  • (ホ )国際機関の事業として行われる研修

(2)日本の公的機関の資金により運営される事業として行われる研修

  • (へ)前記1のほか「国・地方公共団体」「特殊法人」「独立行政法人」の資金により運営される事業として行われる研修で、次のいずれにも該当するもの
  1. 研修生用の宿泊施設の確保(あっせん機関による確保を含む)
  2. 研修生用の研修施設の確保
  3. 生活指導員の設置
  4. 労災保険の代替補償措置(あっせん機関の補償措置を含む)
  5. 研修施設に係る安全衛生措置

(3)外国の公的機関の常勤の職員に係る研修

  • (ト)申請人が外国・地方公共団体またはこれらに準ずる機関の常勤職員である場合の研修で、受け入れ機関が前記2の1から5までのいずれにも該当するもの

(4)外国・地方公共団体の指名に基づき日本の援助及び指導を受けて行う研修

  • (チ)申請人が外国・地方公共団体の指名に基づき、日本の援助及び指導を受けて行う場合の研修で、次のいずれにも該当するもの
  1. 申請人が外国の住所を有する地域において技能等を広く普及する業務に従事
  2. 受け入れ機関が前記2(1)から(5)までのいずれにも該当

実務研修の占める比率

実務研修が含まれる研修は、非実務研修の時間が研修を受ける時間全体の3分の1以上必要で、次の要件のいずれか1つに該当する場合は4分の1以上、いずれにも該当する場合は5分の1以上にまで非実務研修の占める比率が縮少されます。

実務研修実施期間を制限する措置は、研修を的確に実施し実効性のあるものとするため、実務研修実施前に基礎的知識を教えてから実務研修に移行させるのが効果的で、就労まがいの名ばかりの研修をなくそうという趣旨です。

  1. 申請人が、日本で当該申請の実務研修を4か月以上行うことが予定されている場合
  2. 申請人が、過去6か月以内に外国の公的機関又は教育機関が申請人の日本で受けようとする研修に資する目的で日本以外で実施した当該研修と直接に関係のある研修(実務研修を除く)で、1か月以上の期間を有し、かつ、160時間以上の課程を有するものを受けた場合

「実務研修を4か月以上行う」とは、合計4か月以上の時間、実務研修を行うことを意味し、実務研修を含む4か月以上ではありません。日々の研修期間中に実務研修及び非実務研修の両方を混合する場合、実務研修の占める割合を時間換算して合計4か月以上必要ということになります。

「当該研修と直接に関係のある研修」は実務研修が除外されており、日本に入国後に受講予定の研修(講習)と同等以上の内容のものであることとされています。

不正行為に関する事実報告

受け入れ機関が「不正行為」を行った場合、受け入れ機関が自ら地方入国管理局への報告が義務となっています。

不正行為に関する事実報告は、2012年(平成24年)に施行された改正上陸基準省令で、新たに追加されています。2010年(平成22年)から施行されている改正入管法は、研修生・技能実習生の法的保護及びその法的地位の安定化を図るための措置が講じられていますが、改正上陸基準省令で、さらに研修生・技能実習生の保護の強化が図られています。

  • 不正行為は、上陸基準省令第10号の不正行為の表に規定されている研修の行為です。
  • 不正行為を行った場合、その不正行為の程度を問わず、地方入国管理局への報告対象です。

地方入国管理局が確認した不正行為が研修の適正な実施を妨げるものであった場合、その不正行為が終了した日後、研修生及び技能実習生の受け入れは認められません。また、不正行為に対して地方入国管理局から改善措置の指導を受けた場合、再発防止に必要な改善措置が講じられていなければ研修生及び技能実習生の受け入れは認められません。

継続不可能時の対応

研修生が技能等の修得活動を継続することが不可能となる事由の場合、地方入国管理局への報告を義務付けられます。

研修の活動が不可能となる事由は、研修生の失踪や疾病、受け入れ機関の事業廃止や不正行為、その他受け入れ機関と研修生との間の諸問題の発生等があります。受け入れ機関には、研修計画に基づいた技能等の修得活動の継続が求められ、事業の縮小や廃止などで、受け入れ機関が研修活動の継続が困難となる場合もあります。その場合、受け入れ機関は、その事実と対策を地方入国管理局に報告し、研修生が引続き技能等の修得活動の継続を希望した場合、その旨を地方入国管理局に申し出て、同業他社とも協議するなどして研修生の受入先を確保します。

新たな研修生の受入先が確保できた場合、地方入国管理局により他の機関が在留資格該当性や上陸基準適合性を満たし適正な研修を実施する体制があるとき、当該他の機関で引き続き在留資格「研修」の活動を継続することができます。

帰国担保に係る上陸基準省令

技能等を海外へ移転するという研修制度の趣旨で、研修生の帰国に支障をきたさないようにします。

帰国担保措置は、帰国旅費の確保が中心で、受け入れ機関やあっせん機関が帰国旅費の全額を負担しなければなりません。

受け入れ機関の事業縮小や廃止などで研修が継続できなくなった場合、研修生の帰国旅費の確保が困難となるため、受け入れ機関は、研修生が日本に入国した当初から帰国旅費を確保します。

研修実施状況文書作成・備付け・保存

研修の実施状況の文書作成、備付け及び当該文書の保存を受け入れ機関に義務付けされています。

研修内容や指導事項、今後の課題等を記載する研修日誌を作成して研修実施状況を把握します。「研修の実施状況に係る文書」には研修日誌や研修に従事した研修時間及び研修手当等を記載した台帳、指導者などを記載した文書です。

「研修の実施状況に係る文書」は、受け入れ機関に常時備え付け、研修終了日から1年以上保存します。

営利目的・収益を得ることの禁止

研修のあっせん行為で、収益を得る行為を禁止しています。あっせん機関がある場合、非営利性及び非収益性を定められています。

研修のあっせん行為の例は、受け入れ機関と送出し機関との間に立って研修に関して仲介する場合などです。

不正行為など欠格事由

不正行為など欠格事項(上陸基準省令第10~11号)

受け入れ機関やその経営者、管理者、研修指導員、生活指導員が過去に研修または技能実習の上陸基準省令の表の不正行為を行った場合、その不正行為の内容で1年間から5年間研修生の受け入れを認められません。

  • 受け入れ停止期間は、研修および技能実習の上陸基準省令の各表に表示されています。
  • 受け入れ停止期間の起算日は「不正行為が終了した日」です。
  • 「不正行為が終了した日」とは、不正行為が継続的・連続的に行われた場合、その行為の最終日です。

不正行為には暴行・脅迫などの作為によるもののほか賃金等の不払いなどの不作為によるものがありますが、不作為による場合は不作為が解消された日が「不正行為の終了した日」となります。例えば、賃金等の不払いの場合、賃金等が支払われて精算されたときに不払いという不作為が解消されたと考えられ、この精算日が「不正行為の終了した日」となります。受入停止期間を経過、新たに研修生の受け入れを再開しようとする受け入れ機関は、再発防止の改善策を提出、適正な研修の実施が可能かどうか審査されます。

研修や技能実習の上陸基準省令の表の不正行為として、地方入国管理局から認定された受け入れ機関は、新たに研修生の受け入れを再開する場合、再発防止に必要な改善策を提出、適正な研修の実施が可能であると判断されるまで研修生の受け入れは認められません。地方入国管理局が、不正行為の内容が研修の適正な実施を妨げるものではないと確認した場合は、受け入れ停止の処分は免れます。

不正行為など欠格事項(上陸基準省令第12号)

受け入れ機関やその経営者、管理者、研修指導員や生活指導員が研修や技能実習の上陸基準省令の表の不正行為を行ったことに、地方入国管理局から改善措置を講ずるよう指導を受けた場合、再発防止に必要な改善措置が講じられなければ、新たな研修生の受け入れの再開を認められません。

不正行為が研修の適正な実施を妨げるものでなかったとして受け入れ停止の処分を受けなかった場合でも、地方入国管理局が必要と判断した場合、改善措置を通知することがあります。

通知を受けた受け入れ機関は、受入停止の処分を受けた場合と同様、再発防止に必要な改善策を提出、適正な研修の実施が可能であると判断されるまで研修生の受け入れは認められません。

不正行為など欠格事項(上陸基準省令第13号)

受け入れ機関やその経営者、管理者、研修指導員もしくは生活指導員が入管法、労働基準法、船員法、最低賃金法の規定により処罰の対象となった場合、研修生の受け入れを認められません。

新たな研修生の受入停止期間は、処罰の対象となった刑の執行を終了した日または刑の執行を受けることがなくなった日から起算して過去5年間です。

不正行為など欠格事項(上陸基準省令第13号の2)

受け入れ機関やその経営者、管理者、研修指導員もしくは生活指導員が、外国人に対し、不正に在留資格認定証明書の交付や上陸許可を受けさせることを目的に文書もしくは図画を偽造・変造し、虚偽文書等を作成し、もしくはこれらの文書等を行使・所持・提供しまたはこれらの行為を教唆し、もしくはこれをほう助した場合、これらの行為が欠格事由とされます。

「当該機関の事業活動に関し」とは、同一の受け入れ機関での行為という趣旨ですが、他の受け入れ機関でも、社名変更等、事業の継続性や一体性が認められる場合、同一機関の行為とみなされます。

在留資格認定証明書交付申請の時点で、5年(3年、1年)を経過していなくても、処分時に当該年数を経過、かつ再発防止に必要な改善措置が講じられていれば交付を受けることができます。

不正行為など欠格事項(上陸基準省令第14号)

不正行為をした受け入れ機関の経営者や管理者が、別の機関に移籍したり、新たな機関を設立したりした場合、研修生の受け入れを認められません。

2010年(平成22年)の入管法改正で上陸基準省令に新たに規定されています。入管法改正前は、不正行為の認定を受けた受け入れ機関の経営者や管理者が別の機関に移籍したり、新たな機関を設立したりして研修生の受け入れのための申請がされた場合、審査が実施されていました。この規定で、研修生の受け入れのための申請をした受け入れ機関の経営者等が、過去5年間に他の機関の経営者、役員や管理者として、研修または技能実習の運営・監理の業務に従事しており、その業務に従事している期間中に研修または技能実習の上陸基準省令の表の不正行為を行った場合、不正行為の内容により1年間から5年間研修生の受け入れは認められません。

地方入国管理局が、不正行為が研修の適正な実施を妨げるものではないと確認した場合は、受け入れ停止の処分は免れます。在留資格認定証明書交付申請の時点では、5年(3年・1年)を経過していなくても、処分時に当該年数を経過し、かつ、再発防止に必要な改善措置が講じられていれば交付を受けることができます。

不正行為など欠格事項(上陸基準省令第16~17号)

国や地方公共団体の機関または独立行政法人以外の機関が研修生のあっせんを行う場合、あっせん機関またはその経営者、管理者もしくは常勤職員が過去一定期間内に研修または技能実習の上陸基準省令の表の不正行為を行った場合、その不正行為の内容で1年間から5年間、研修生の受け入れを認められません。

地方入国管理局が、不正行為の内容が研修の実施を妨げるものではないと認定した場合、受入停止の処分は免れます。

研修および技能実習の上陸基準省令の表の不正行為を行ったことに対し、地方入国管理局から改善措置の指導を受けた場合、再発防止に必要な改善策を提出、適正な研修の実施が可能であると判断されるまで研修生の受け入れは認められません。

不正行為など欠格事項(上陸基準省令第18号)

国や地方公共団体の機関または独立行政法人以外の機関が研修生のあっせんを行う場合、あっせん機関またはその経営者、管理者もしくは常勤職員が入管法、労働基準法、船員法、最低賃金法の規定により処罰の対象となった場合、研修生の受け入れは認められません。

新たな研修生の受け入れ停止期間は、処罰の対象となった刑の執行を終了した日または刑の執行を受けることがなくなった日から起算して過去5年間です。

偽変造・虚偽文書、教唆・ほう助(上陸基準省令第18号の2)

国や地方公共団体の機関または独立行政法人以外の機関が研修生のあっせんを行う場合、あっせん機関またはその経営者、管理者もしくは常勤職員が、外国人に対して不正に在留資格認定証明書の交付や上陸許可を受けさせること等を目的に文書や図画を偽造・変造し虚偽文書等を作成し、もしくはこれらの文書等を行使・所持・提供し、または、これらの行為を教唆、もしくはこれをほう助した場合、欠格事由とされます。

「当該機関の事業活動に関し」とは、同一のあっせん機関の行為を対象とする趣旨ですが、他のあっせん機関であっても、社名変更等、実質的に事業の継続性が認められる場合は、同一機関の行為とみなされます。

在留資格認定証明書交付申請の時点では、まだ、5年(3年・1年)を経過していなくても、処分時に当該年数を経過し、かつ再発防止に必要な改善措置が講じられていれば交付を受けることができます。

他の機関における不正行為(上陸基準省令第19号)

国や地方公共団体の機関または独立行政法人以外の機関が研修生のあっせんを行う場合、その機関の経営者または管理者が、かつて他の機関において研修または技能実習にかかわる不正行為をしているときは研修生の受け入れを認められません。

研修生の受け入れで、あっせん機関の経営者等が過去5年間に他の機関の経営者、役員もしくは管理者として、研修または技能実習の運営・監理の業務に従事し、その業務に従事している期間中に研修または技能実習の上陸基準省令の表の不正行為を行っていた場合、その不正行為の内容によって1年間から5年間研修生の受け入れは認められません。

地方入国管理局が、不正行為の内容が研修の適正な実施を妨げるものではないと認定した場合、受け入れ停止の処分は免れます。

送出し機関・その他経営者等の欠格事由(上陸基準省令第20号)

送出し機関またはその経営者もしくは管理者が、外国人に対して不正に在留資格認定証明書の交付や上陸許可を受けさせること、または技能実習もしくは、研修の表の不正行為の事実を隠蔽すること等を目的に偽変造文書、虚偽文書等の行為を行った場合、これらの行為が欠格事由とされています。

「当該機関の事業活動に関し」とは、同一の送出し機関の行為を対象とする趣旨で、他の送出し機関でも、社名変更等、実質的に事業の継続性や一体性が認められる場合は、同一機関の行為とみなされます。

在留資格認定証明書交付申請の時点では、5年(3年・1年)を経過していなくても、処分時に当該年数を経過、かつ、再発防止に必要な改善措置が講じられていれば、交付を受けることができます。