国際結婚した後に、帰化し日本国籍を取得する場合のメリットと注意点

配偶者ビザ

帰化とは

帰化とは、希望に対し国が許可して日本国籍を与える制度です。

法務大臣の権限で、許可されると官報に告示され、その日から効力が生じます。申請は、法務省所管の法務局または地方法務局で、在留手続とは別の手続です。

永住権と帰化はどう違うの?

永住権
  • 永住者は許可取得後も外国人です
  • 退去強制に該当すれば退去強制となります
  • 参政権はありません
  • これまで同様、外国人登録や再入国の手続等が必要です
  • 在留活動の制限はなくなります
帰化
  • 帰化は外国の国籍を喪失します
  • 日本国籍を取得し日本人となります
  • 祖国に帰るためにはビザを取得する必要があります
  • 子どもの国籍に影響を与える可能性もあります
  • 帰化申請は慎重に行います

日本で生活する国際結婚の外国人の多くは、生活が安定すると、永住者の在留資格の取得か、帰化申請で日本国籍を検討します。

帰化申請とは

帰化申請は、日本の在留期間が長ければ許可されるものではありません。

日本語能力、日本社会で生活する最低レベル(小学校低学年)以上のものが要求されます。

日本の法律の遵守、日本の生活習慣に馴染んでいるかも審査されます。日常的な素行、交通違反や事故なども起こさないようにして、税金の滞納等も注意します。

帰化申請の条件

国籍法で次のように規定されています。

国籍法第5条の条件

以下に当てはまる者が、帰化の基本条件となります。

  1. 引き続き5年以上日本に住所がある
  2. 20歳以上で本国法によって能力を有している
  3. 素行が善良
  4. 自己または生計を同じくする配偶者や親族の資産または技能で生計を営める
  5. 国籍がない、または日本の国籍の取得で、その国籍を失うこと
  6. 日本国憲法関連や政府を暴力で破壊したり、主張、企て等をしない

国籍法第6条の条件

日本と特別の関係のある外国人で、日本の住所の者は、継続して5年以上日本に住所がなくても、他の条件(国籍法5条1項2~6号)があれば、法務大臣は帰化の許可ができます。

  1. 日本国民であった者の子(養子を除く)で引き続き3年以上日本に住所または居所がある者
  2. 日本生まれの者で引き続き3年以上日本に住所、居所があり、父母(養父母を除く)が日本生まれの者
  3. 引き続き10年以上日本に居所がある者

国籍法第7条の条件(国籍法5条1項1・2号(住所・能力)の緩和規定)

日本国民の配偶者の緩和規定で、下記場合でも帰化の許可がでます。

  1. 日本国民の配偶者の外国人で引き続き3年以上日本に住所、居所があり、現在、日本に住所がある者
  2. 日本国民の配偶者の外国人で婚姻の日から3年が経過、引き続き1年以上日本に住所のある者

国籍法第8条の条件(国籍法5条1項1・2・4号(住所・能力・生計)の免除規定)

次の者は、帰化の条件(国籍法5条1項各号)のうち、住所・能力・生計の条件がなくても、帰化を許可できます。

  1. 日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有する者
  2. 日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所があり、縁組の時本国法で未成年であった者
  3. 日本の国籍を失った者(日本帰化後、日本の国籍喪失者を除く)で日本に住所がある者
  4. 日本生まれで、出生時から国籍がない者で引き続き3年以上日本に住所がある者

国籍法第9条の条件(国籍法5条1項の特別規定)

日本に功労のある外国人は、法務大臣は国会の承認で帰化を許可できます。

国籍や身分関係の書面は、本国官憲が発給したものを提出します。

申請者の国籍や身分関係、職業などで必要な書類は異なり、申請は法務局や地方法務局に必ず確認します。

帰化許可申請の必要書類
  1. 帰化許可申請書(申請者の写真が必要となる)
  2. 親族の概要書
  3. 3歴書
  4. 帰化の動機書
  5. 国籍を証する書面
  6. 身分関係を証する書面
  7. 外国人登録原票記載事項証明書
  8. 宣誓書
  9. 生計の概要書
  10. 事業の概要書
  11. 在勤及び給与証明書
  12. 納税証明書

まとめ

在留資格をもって一定期間日本に在留している日本人が、このまま引き続き日本に住みたいと考えたときに、永住権や帰化を検討するかと思います。それぞれに違いがありますが、帰化を選択する場合は「日本人になること」ですので、母国の国籍がなくなります。日本人に帰化した後、やっぱり母国の国籍に戻りたいとしても、家族も巻き込みますし、手続きがとても大変なようです。帰化を選択する方は、自分や家族のライフプランをしっかり考え、慎重に判断することをおすすめします。