就労活動ができる在留資格「技能」

外国人を雇用する企業が多く利用する在留資格は「人文知識・国内業務」「技術」「技能」「企業内転勤」の4つです。

人文知識・国内業務

技術

技能

企業内転筋

在留資格「技能」

在留資格「技能」は、日本の公私の機関と契約で行う産業上の特殊な分野の熟練した技能を要する業務に従事する活動です。

  • 職種が法務省令(基準省令)で限定列挙されているので、「技能」は下記の業務に限り取得することができます。
  • 調理師、建築技術者、外国製品の製造・修理、宝石・貴金属・毛皮加工、動物の調教、石油・地熱等掘削調査、航空操縦士、スポーツ指導者、ソムリエ

「日本の公私機関」に含まれるもの

  • 日本の政府関係機関
  • 地方公共団体関係機関
  • 公社、公団、公益法人、民間の会社
  • 日本にある外国の政府関係機関
  • 外国の地方公共団体(地方政府を含む)関係機関
  • 国際機関
  • 外国法人の支店・支社
  • 個人経営でも、外国人が在留活動の施設や形態が整えば許可となる可能性はあります。

「契約」は継続契約でなければならない

「契約」には、雇用のほかに、委任、委託、嘱託等も含まれるが、特定の機関との継続契約でなければなりません。

原則として、複数機関との契約でも問題ありません。

「熟練した技能を要する」とは

「熟練した技能を要する」とは、個人の経験の集積で得た熟練の技能を必要とします。

技能や判断が必要ない機械的な作業である単純労働と区別されます。

「技術」と「技能」の違い

「技術」と「技能」の違いは、「技術」は一定事項について学術上の素養等の条件を含め、理論を実際に応用処理する能力で、「技能」は一定事項について個人の経験の集積で有している能力です。

契約先は、事業が適正に行われ、安定性と継続性がなければなりません。

「技能」の基準

申請人が次のいずれかに該当し、日本人が従事の場合の報酬と同等額以上の報酬を受けること。

  • 基準省令で職務内容が限定列挙され、規定のない職種は認められない
  • 従事する業務の実務経験の始まりは、義務教育終了後の職歴からとなります

動物の飼育・調教などの分野は、特定の国では義務教育期間中も従事が適当と認められる場合、認められる可能性があります

調理師

  • 西洋料理人、中華料理人、製菓技術者が該当します
  • 料理の調理または食品の製造の技能で外国で考案され日本で特殊性を要する業務に従事する者で、次のいずれかに該当する
  • 当該技能で10年以上の実務経験(外国の教育を含む)
  • 経済上の連携の日本とタイとの間の協定附属書の適用を受ける者

調理師で「熟練した技能を要する業務」と言えるには「外国で考案され、日本で特殊なものを要する業務」と言えるかどうかが目安になります。一般的な餃子やラーメンでは当てはまりません。

建築技術者

  • 外国特有の建築または土木の技能で10年以上の実務経験(外国の教育を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事する
  • 外国特有の建築とは、ゴシック、ロマネスク、バロック方式や中国式、韓国式等の建築・土木の技能等、日本にはない建築・土木です。枠組壁工法や輸入石材の直接貼り付け工法も含む
  • ツーバイフォーの輸入住宅の建設の場合、外国人技能者の受入れが建設作業に従事させるためではなく、日本人技能者の指導や技術移転が明確で、建設に必要な資材の輸入相手国の国籍の者や当該国の永住資格がある
  • 原産国は米国、カナダ、オーストラリア、スウェーデン、フィンランドなど。外国人技能者が従事する分野はスーパーバイザーフレーマー、ドライウォーラー、フィニッシュ・カーペンターのいずれかで、日本人技能者でも作業が容易な工程ではないこと

外国製品の製造・修理

  • 外国特有の製品の製造や修理で10年以上の実務経験(外国の教育を含む)を有する者で、技能の必要な業務に従事する
  • 例えば、ヨーロッパ特有のガラス製品、ペルシア絨毯など。日本にはない製品の製造や修理の技能
  • 生理学的分野から靴を研究、治療靴を製造するシューフィッターは、解剖学、外科等の知識で外反母趾等の疾病の予防矯正効果のある靴のデザインを考え、製作していく作業をする者で含まれます

宝石・貴金属・毛皮加工

  • 宝石・貴金属や毛皮の加工の技能で10年以上の実務経験(外国の教育含む)を有する者で、当該技能の業務に従事する

動物の調教

  • 動物の調教の技能で10年以上の実務経験(外国の教育を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事する

石油・地熱等掘削調査

  • 石油探査の海底掘削、地熱開発の掘削や海底鉱物探査の海底地質調査などの技能で10年以上の実務経験(外国の教育を含む)を有する者で、その業務に従事する

航空機操縦士

  • 航空機操縦の技能で1,000時間以上の飛行経歴がある者で、航空法の航空運送事業の航空機での操縦者

スポーツ指導者

  • スポーツの指導の技能で3年以上の実務経験(外国の教育を含む)のある者で、その業務に従事する者やオリンピック、世界選手権など国際競技会に出場したことがある者で、指導の技能の業務に従事する

ソムリエ

  • ワイン品質の鑑定、評価や保持、ワインの提供(ワイン鑑定等)の技能で5年以上の実務経験(外国の教育を含む)を有する次のいずれかに該当する者で業務に従事する
  • ワイン鑑定等の技能の国際的競技会(国際ソムリエコンクール)で優秀な成績を収めた者。国際ソムリエコンクールに出場したことがある
  • ワイン鑑定等の技能で国(外国を含む)や地方公共団体(外国を含む)やこれらに準ずる公私の機関の認定資格で法務大臣が定めるものを有する者